海外

「ほったらかし料理ができる」大同電鍋とは 【台湾の伝統的な万能電気鍋】

大同電鍋とは?

「ほったらかし料理ができる」大同電鍋とは
台湾の一般家庭には必ずといっていいほどある大同電鍋(だいどうでんなべ)。

昔から変わらないそのノスタルジックなルックスは、懐かしい台所を連想させる。
そして可愛いルックスとは裏腹に、とてもいい仕事をする。

大同電鍋は、ご飯を炊いたり蒸したり煮たりできる万能電気鍋である。材料をいれてボタンをポンと押すだけで「ほったらかし料理」の出来上がりである。

操作は非常に単純で、電源ボタンと加熱レバーがあるだけだ。
機能が単純であるせいか壊れにくく、ある家庭では20年選手もいるようだ。

元々は日本の東芝が開発したものだが、1960年に台湾の大同公司という会社が東芝製品をモデルに開発、販売を開始した。

販売を開始してから約50年で1300万個を売り上げており、台湾ではほとんどの家庭が所有していることになる。

大同公司は、東芝と共同開発で電気鍋を開発した。

しかし当時の台湾国民の所得は低く、薪を使って火を起こして料理していた時代であった。コストを抑えて提供しやすい価格で販売するために何度も試行錯誤されたという。

主婦の心をつかむために朝の市場で大々的に宣伝した。その努力の結果、少しずつ主婦の間で広がり始めたという。

便利すぎる!水を適量いれて材料をいれてレバーを下げるだけ!レバーがポンッと上がれば出来上がり!」ガスや火のようにずっとそばにいる必要もないため、時間を有効に使うことができる。忙しい主婦にピッタリだ。

大同会社はコストを抑えることに加えて「品質」にもこだわった。

ある家電販売店の男性はこうコメントしている。

あるお客さんが45年使った大同電鍋を修理に持ってきた。大同の修理担当に連絡を取ると修理に持ってくるものは平均して15年以上の物ばかりだという。一般の家電の寿命をはるかに超えている。

45年とは驚きである。普通ならとっくに何度も買い替えられている。大同電鍋はすでに家庭の歴史の一部となっているのだ。

逆輸入

大同電鍋は東芝が開発した電気鍋の進化形である。筆者の祖母は三合炊きの小さな緑色の東芝電気鍋を所有していた。
ご飯を炊くと美味しそうなお焦げができ、幼い頃「お焦げを入れてね」と祖母にお願いしていたものである。

台湾で大流行した後、日本でも人気が再沸騰している。


大同電鍋(電気釜) 炊飯器 10合 外鍋ステンレス製ーきはだ色ー Lサイズ 【正規品】

2015年に日本でも販売が開始され、2017年までに少しずつ売り上げを伸ばしていき、売り上げ4000台を突破した。
クックパッドでも大同電鍋のレシピは沢山出てくるし、Youtubeにも沢山動画が投稿されている。

その可愛いノスタルジックなルックスも人気の理由となっている。

コラボ電鍋

スタンダード色に加えて、「ハローキティ」「ディズニー」「sou・sou」「ワンピース」などとコラボレーションし、限定版として販売されている。

また大同電鍋には販促用のイメージキャラクターがいる。

その名も「tatung Boy」である。

インターネットのオークションでも、貯金箱など販促用グッズが多く販売されており、コレクター達の中で人気である。

「ほったらかし料理ができる」大同電鍋とは

画像 : tatung Boy

今や台湾の象徴となった大同電鍋。

お土産屋を覗けば、大同電鍋のミニチュアフィギュアやキーホルダーも販売されている。時代と共に変化してきたものもあるが「良品」は時代を超えても「良品」である。

愛され続ける「大同電鍋」は、これからも台湾人の食卓で活躍し続けるに違いない。

筆者も日本へ帰国の際には「祖母へ一つプレゼントしようかな」なんて考えている。

 

  • Xをフォロー
好きなカテゴリーの記事の新着をメールでお届けします。下のボタンからフォローください。

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

草の実堂Audio で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 【外国人から見ると変わって見える台湾人の5つの癖】 ~質問に「は…
  2. 北朝鮮の観光事情について調べてみた【日本人も行ける!】
  3. 懐かしの『ロケット鉛筆』誕生秘話 〜「発明したのは娘を想う台湾人…
  4. 世界各地に伝わる「ゾンビ的怪物」の神話や伝承 ─ゾンビの原型はブ…
  5. なぜ9.11同時多発テロは起こったのか? ビンラディンが描いた「…
  6. 中国のマイナンバーカードの秘密 「命の次に大切?」
  7. 日本人には馴染みのない 中国圏の変な迷信 「梨を分けてはならない…
  8. ロシア帝国の歴史とロマノフ朝について調べてみた

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

実は凡庸なんかじゃなかった!紫式部の兄弟・藤原惟規の活躍 【光る君へ】

平安時代を代表する女流作家の一人・紫式部。日本人だけでなく、世界中の歴史ファンから「MURASAKI…

『難攻不落の美女』女好きな皇帝ナポレオン3世が虜になった貴族令嬢、ウジェニーとは

ナポレオン1世の甥にあたり、フランス第二帝政の皇帝として君臨したナポレオン3世こと、ルイ=ナ…

洋食の歴史について調べてみた「日本初の西洋料理店は?」

洋食とは?広義の意味では西洋料理を指しますが、一般的に洋食といった場合、日本で生まれた西洋風…

【日本三悪人の筆頭】天皇の座を狙った悪僧・道鏡とは「女性天皇をたぶらかす」

日本を代表する三つのことを「日本三〇〇」と呼ぶことは多い。悪人のカテゴリーにも「日本三悪人」…

『江戸時代のワクチン戦士』日本の医学を変えた日野鼎哉とは

江戸時代、日本の医学界は大きな転換期を迎えていました。長らく漢方医学が主流だった日本に、西洋医学…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP