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画像 : ワイン好き!
筆者は、スカイダイビングをしています。
あくまで趣味としてですが、2025年現在27年の経験がありインストラクターの資格も持っています。
2022年3月、タンデム(2人乗り)スカイダイビングで、お客さんとしてエスコートした女性がいました。
それが今回紹介する、氷室里穂さん。
22歳の誕生日記念でいらした彼女、実は史上最年少、なんと21歳でソムリエの資格を取得した実力派。
私もワイン好きなので、話が合いました。
それから3年弱、ソムリエとしての経験を積んだ彼女に仕事への想い、夢などについて語ってもらいました。
最初は舞い上がっていたかも
種市:氷室さんがソムリエになろうと思ったそのきっかけは?
氷室:ソムリエを目指した理由。
そうですね、上京してすぐにコロナになって休業の時期があったときに、私が初めて新卒で勤めたお店がレストランで、ワインに力を入れている店でした。コロナで休業の期間が2ヶ月から3ヶ月あって、その時はお店に入ったばかりで、新卒として何ができるかなと思ったときに、じゃあワインの勉強をしようと思って始めてみました。
まあ、目指した理由というのは正直そんなにはっきりしていなくて。
たまたまワインに目をつけて勉強したら面白くって、飲んだらおいしくって。
せっかくだしソムリエを取ろうと思ったのがきっかけです。それこそ私にとっては、コロナ禍がすごい追い風になったなぁっていうのが一番大きくて。
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画像 : 手前は山形・上山のロゼ
種市:ずっとソムリを目指して憧れていたわけではないんですね。
氷室:全然(笑)。
だって20歳でこっち(東京)に来てるから(彼女は福岡出身)。
お酒も飲んだことなかったし。
本当にたまたまだと思いました。
だって、パンデミックはしょっちゅう起こるわけでもないし、たまたま20歳の時それになってそれがきっかけで、というのがあるから。
たまたまその時間を有効活用しようと思ったときに、じゃあ、そのお金を給与としてくれている会社に何をしたら「この人って会社のためになってるな」って思われる人材になるのかなと思ったときに、じゃあワインを勉強したほうがいいのかなと思ったので。
ソムリエを目指した理由になるのはそこだと思います。
種市:実際21歳、史上最年少で取られて、その時に感じたこと、それから4年近く経って変わったことはありますか。
氷室:取りたての頃は、今さらながら周りに言われたのは「調子に乗ってたね」とはよく言われます。
ソムリエを若い歳で取る人はやっぱり少なくて。特別な人間になった気になってたなぁっていうのはすごいあります。
資格はやっぱり勉強する時間があったっていう私の運の良さで取れたものもあるし、もちろん1日に6時間とか休みの日だったら7時間、8時間勉強して取ったっていうのも、それも自信につながってて。
若い時はでもやっぱり、聞かれずとも「ソムリエしてます」って堂々と言ってたし。
じゃあ、それが今現にソムリエとして、レストランで長く勤められている方と互角かって言われたら全然そうじゃなくて。
だから若い時に(ソムリエに)なったときは、良い意味でも悪い意味でも調子に乗ってたな、と思います。
ソムリエを取得してすぐくらいに、銀座のレストランの立ち上げのスタッフとして雇って頂いた際に、お食事が好きな方だったらみんな知ってるような有名レストランでソムリエをされていた方と一緒に働く機会があり、この時に色々思い知らされました(笑)。
その方叩き上げで、今で言うパワハラがすごい人だったから仕事中に蹴られたり、なんかもありました(笑)。
でも知識がすごく豊富で学ぶ事も多かったですが、私自身はその方を尊敬できない部分の方が多かったので反面教師にして、知識だけあるソムリエにはなりたくないなと今は思っています。
じゃあこの資格を生かして何ができるのかっていうのは、すごく日々考えていています。
人と同じことをやりたいとは思わないから。
種市:現在は、銀座のクラブで働いていると伺いました。
氷室:約1年ほど前から勤めさせて頂いております。
日本でワインの消費量が多いのはナイトワークのおかげとも言われるくらいのワイン需要ですから、とても面白いです。
種市:やはり、ワインなんですね。 クラブでの仕事で学んだ事気づいたことなどまた別の機会に聞かせて下さい。
氷室:はい、尊敬する方々、学びの日々なので是非。
人と人をつなぐ仕事をしたい
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画像 : 想いを綴る氷室さん
氷室:何がって言われるとまだ内容は未確定ですけど、面白いことをやりたい。
そして今の若い世代って、お酒に対してやっぱり飲まない文化が大きくなっている中で、それこそノンアルコールのビールカクテルに力を入れていアサヒだったり、キリンだったり、大手はね、やっぱりそっちにシフトチェンジしたから。
それってなんでかって言うと、人の流れが変わったからなんですよ。
お酒飲まなくていいっていうふうにシフトチェンジしたから。
でも、じゃあ、今まで飲まなかった人が、もう本当にベロベロになるほど飲めっていうわけではないんだけど、私はソムリエをとって、やっぱり仕事の幅も広がったし、交友関係も広がったし、私と種市さんだってそうじゃない(笑)?
ソムリエっていうもの、ワインっていうものがなければ、こうやってお食事に行く機会も絶対ないし。
私はやっぱりこういうご縁を大切にしたい。
でも、それをつないでくれるのは、ワインとか嗜好品、お酒はなんでもいいと思うの。
それこそ、じゃあ服が好きですって言う人は服で集まったりするじゃない?
やっぱり、そういうふうにご縁をつないでいけるものになったらいいなって。
だから、それをつなげられる人になりたいなと。 私はつないでもらってきた側だから。
今度はやっぱりその自分が得意としているワインっていうもので、人と人をつなげるというような人になりたいってて思ってます。
種市:今年は沖縄に行って、新たなビジネス展開するということなんですけど、それはやっぱり同じようなビジョンで、人と人とをつなぐというビジョンに立って?
氷室:うん、人と人をつなぎたいし、面白いことをやりたいかな。
種市:どうして沖縄?
氷室:どうして沖縄かって言うと、やっぱりワインでいうと「え?沖縄でワイン?」って言われるぐらいの発展途上国みたいな。
まだまだ全然開発が進んでない山みたいな感じのところだから、面白いと思う。
だって可能性がいっぱいあるでしょう。
もちろん間違うことも多いし、正解っていうルートがないからこそ手探りのものもあるし。
でも私のような若い人間が成功するには、一番いい環境じゃないかなって。
もちろん東京で大手の、それこそ、じゃあロブションとかで、デカンさんとか名の知れた有名なレストランとか、じゃあそれこそリッツ・カールトンとかニューオータニとかで、トップのソムリエとして独立していくのも手なんだけど。
まあでも何がやりたいか、だと思う。
私は物事に時間をかけたくないタイプだから、飽き性だからどんどん前に進んでいきたいし、新しいものを見て、新しいものを感じて自分の感性を伸ばしたいと思っているから。
沖縄に目をつけたのはそこ。新しいことをできる環境が揃っているから。
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画像 : 和装も素敵です
種市:これからソムリエを目指していくという人に、一言メッセージを。
氷室:うーん、でも、ソムリエを目指す人は、人の幅が広すぎるから、私のようにたまたま時間があって、ソムリエっていうものにたどり着いた人の方が少数だと思うし、多くの人は長く飲食店に立ったり、バーとかに勤めて、でも勉強する時間がなくて、じゃあ、踏ん切りつけて1年は死ぬ気で勉強しようと思って取る人が多いから、私から助言することはないんですけど、若い人に対しては、その若い人がじゃあワインが好きで、その上を目指したいんだったら、絶対取ったほうがいい。
なんでかっていうと、ワインの資格を取るってことは証明になるから。
ただのワイン好きじゃなくてワインを知ってる人になれるから、周りからからの見方も変わるし、接し方も。
種市:成長の礎になる、と言うことですね。
氷室:その通りです。
種市:本日は、ありがとうございました。
氷室:ありがとうございました。
インタビューを終えて
このインタビューのあと、彼女が勤務しているクラブに同伴しました。筆者にとっては人生初クラブ。
白い壁の店内は明るくてシンプルかつ清潔感のある感じ。薄暗くていろんなものがキラキラしているのを勝手に想像していた私には意外でした。キャバクラとクラブが違うということすら知らなかった。
キョロキョロし戸惑う無知な私を、私よりはるかに若い彼女が(他の店員さんと共に)優しくエスコートしてくれました。
食文化を通じて人とつながる、人と人をつなげることに情熱を持っている氷室さん。
これからは沖縄の空の下、地域の食材とワインの今までにないマリアージュを、そして人と人との縁をどんどん創出していってくれるでしょう。
若いエネルギーは、正義だ!
文 / 種市孝 校正 / 草の実堂編集部
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