飲食

ビールの歴史 「美味しいビールは産業革命の賜物」

広い会場に多くの屋台が並んで、青空の下で本場ドイツのビールを味わう。

こうした「オクトーバーフェスト」も日本各地で開催されるようになり、すっかり人気イベントとして定着しました。オクトーバーフェストは、もともとドイツのミュンヘンで9月中旬から10月上旬にかけて開催されるためこの名前で呼ばれています。

ビールの歴史

日本のオクトーバーフェストでも珍しいビールが飲めたり、美味しいドイツ料理が食べられたりするので、この日ばかりは体重のことなんか気にせずに楽しんでしまいます(笑)

でも、エールとか、ピルスナーとか日本のビールでは聞いたこともない種類も多くありますよね?

そこで今回はビールの歴史と種類について調べてみました。

お粥がビールになった?!

ビールの歴史
※紀元前2050年のビールの受け取りを記した粘土板。

ビールの歴史はなんと紀元前4000年以上前まで遡ります。

古代メソポタミアで農耕が始まった頃、置いてあった麦のお粥に酵母が入って、自然発酵して出来たのが起源だといわれています。当時は、人々の飲み物の他に、神様に捧げる供物でもありました。

紀元前3000年頃にシュメール人が残した「ビールの作り方」が描かれた粘土板も残っています。同じ頃には、古代エジプトでもビールが作られていたようです。さらに中国でも紀元前3000年頃にビールを醸造したという痕跡が残っています。

当時の製法は、麦芽を乾燥させて粉にしたものに水を加えて練り、それを焼いてパンにしてからさらに水でふやかして発酵させるというものでした。かなりややこしいです(笑)

ヨーロッパでビール作りが始まる

古代ローマにもエジプトやケルト人からビールが伝わりましたが、当時はワインがアルコール飲料の主流だったため、流行らなかったそうです。でも、5世紀に西ヨーロッパの大部分を領土にしたフランク王国が誕生すると、ヨーロッパでもビールが受け入れられるようになります。全土でビール作りが始まりました。

中世になるとキリスト教の修道士の間でもビール作りが盛んになります。「ビールは液体のパン」「パンはキリストの肉」というつながりで、巡礼者に振舞ったそうです。そのため、製造技術も大きく発展し、品質もより良くなりました。その結果、醸造量が増えて一般人にも広まったといいます。

ビールの歴史

11世紀ごろには発酵を安定させるためにホップを使用したのも、ドイツの女子修道院でした。さらにホップには爽やかな風味と雑菌を抑える作用もあったため、その後はホップを使った製法が主流となります。

バイエルンは君主までもがビールにこだわった!

それでも、当時のビールには品質に大きな差がありました。

このことに不満を覚えたドイツ南部のバイエルン地方を治めるヴィルヘルム4世が、1516年、「ビール純粋令」を施行します。ビールは大麦とホップ、水以外のものを使わないようにという命令です。これはビールの品質を向上させると共に、食用小麦がビール製造によって不足したり、飢餓を起さないための防止策でもありました。原料に小麦を使う「白ビール」は特別な許可を得た一部の醸造所でしか作れなくなり、この法律は現在ではドイツ全土に広がっています。

ビールの歴史

15世紀中頃のミュンヘンでは、低温で長時間発酵を行う「下面(かめん)発酵」のビールの製造が始まりました。これが私たちのよく知っている「ラガービール」です。ラガーに使う酵母は発酵を終えると底に沈殿するため「下面発酵」といい、常温、短期間で発酵を行い、酵母が浮き上がって完成するビールを「上面発酵のビール」、「エール」と呼んで区別します。

ミュンヘンでオクトーバーフェストが開催されるようになった経緯とは、こういうことだったんですね。

ビールを広めた産業革命!

19世紀にはチェコのプルゼニ地方で「ピルスナー」という下面発酵ビールが製造されて人気となります。ホップの苦味がありながら、スッキリした味わいが特徴で、日本で製造されるほとんどのビールがピルスナースタイルとなっています。でも、低温で長時間発酵が必要な下面発酵のビールがここまで人気となったのでしょうか。

ビールの歴史
※ピルスナースタイルの元祖、ピルスナー・ウルケル

実は、冷却機が発明されたことで、いつでも下面発酵ビールが製造できるようになったこと、低温加熱殺菌法が確立されて長期保存が可能になったことがビールを世界的に普及させたのです。

冷却機の発明は産業革命により生み出されたもので、まさに「産業革命の賜物」と言えるでしょう。このようにして、現代でも飲まれるようなビールが広がりました。日本では江戸時代にオランダから持ち込まれたようですが、本格的に製造が開始されるようになったのは明治時代になってからです。

オススメはヴァイスビール

ビールの本場、ドイツでも人気なのはラガービールですが、エールビールも多くの種類が作られています。先ほども書きましたが、ドイツのビールには大麦が原料のピルスナーと、小麦が原料のヴァイスがあります。

私はビールの種類には詳しくありませんが、飲むのは大好きです(笑)


※ドイツのヴァイスビール。白ビールとも呼ばれます。

そこで、オクトーバーフェストなどのイベントや、ビール専門店で飲んでいただきたいのはヴァイスタイプです。日本のラガービールは苦味と切れ味が特徴ですが、ヴァイスビールは甘いようなフルーティーな香りが特徴です。苦味も味わえますが、ラガーよりも全体的にやわらかくて余韻が残る感じですね。個人的にはアインガーという醸造所のビールがオススメです。

まとめ

普段、何気なく飲んでいるビールの起源が6000年も前にあったことに驚きです。しかも、それをヨーロッパに普及させたのが修道士だったり、君主が「美味しいビールを作るための命令」を出したり、面白い話ばかりでした。

今回は歴史だけでしたが、機会があれば製法や種類についても詳しく調べてみたいと思います。

関連記事:酒
バー・パブ・バル の違いについて調べてみた

 

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