海外

税金が安いドバイの観光プロジェクト 「サファリツアー」の魅力とは!?

アラブ首長国連邦のひとつである「ドバイ(ドバイ首長国)」と聞くと、高層ビルや外資系企業が集結する巨大ショッピングモール開発が進む街並みが思い浮かぶ。

世界に名を連ねる金融機関が「ドバイ」に続々と進出し、中東における『金融センター』の地位を「ドバイ」が築き上げたことで、富裕層が多く暮らす都市というイメージも形成されていった。

ドバイの5つ星ホテル『ブルジュ・アル・アラブ』

そんな国外からのイメージも影響して、物価が高い印象を持たれる「ドバイ」だが、実際に「ドバイ」で生活する上で必要となる税といえば、5%の付加価値税(VAT)のみである。

その為、所得税、相続税、贈与税、法人税、固定資産税、不動産取引税が一切掛からない「ドバイ」を拠点に事業展開を始める企業が増加傾向にある。

「ドバイ」拠点の上質な旅を提供するエミレーツ航空

国外から「ドバイ」に生活の拠点を移す理由として最も多いのが、各国から派遣された企業の駐在もしくは「ドバイ」を本拠地とする航空会社『エミレーツ航空(Emirates)』の職員といわれている。

エミレーツ航空の客室乗務員

世界80ヵ国、155以上の都市に就航するエミレーツ航空は、グループ全体で10万人を超える従業員を抱え、旅行業界において最も栄誉ある賞『ワールド・トラベル・アワード』では数々の賞に輝く快挙を成し遂げている。

特に2021年度の受賞は、新型コロナによる従業員の3割削減や、就航の制限といった厳しい情勢に見舞われた中での受賞となり、とても感慨深いものであった。

現在は、渡航制限の緩和と共に従業員の復職や、新たな人材の活躍を見据えて、従業員募集を積極的に開始している。

石油の埋蔵量が少ない「ドバイ」の経済を貿易業、金融業に次いで支えている国際的な観光業を、逸早く再開した『世界で最も強いエアライン』として世界から注目を浴びた。

エミレーツ航空の代表的な機体といえば、ファーストクラス利用者を対象に作られた『シャワールーム』と『ラウジン・バー』を設置した『A380機』である。

長時間の飛行を自分だけのプライベート空間で、身体も心も寛ぐことをコンセプトとして造られた機体だ。

驚くほどの豪華で洗練された機内サービス提供やアメニティの充実さが、エミレーツ航空という上質なエアラインの存在を確立させている。

ドバイ

A380機内に設置されたシャワールーム​​​​

高層ビルと巨大モール開発事業は観光意欲の象徴

828mの高さを誇る「ドバイ」のシンボルでもある『ブルジュ・ハリファ』は、世界一の高さを誇る160階建ての高層ビルだ。

124階の展望台からは、「ドバイ」の美しい夜景とアラビア砂漠を一望できる。

ドバイ

世界一の高さを誇る『ブルジュ・ハリファ』

『ブルジュ・ハリファ』の開発事業には、世界一の高さという特徴を活かした人々の関心を集めるだけでなく、『ブルジュ・ハリファ』での観光を終えた後に、高級ブランドや観光土産、娯楽施設が一斉に集結した世界最大のショッピングモール『ドバイモール』へ自然と足を運ぶよう、人々の観光意欲を起こさせる狙いも含まれていた。

高層ビルとショッピングモールを一体化させた「ドバイ」独自の観光プロジェクトは、現在も進行中で『ブルジュ・ハリファ』の高さを遥かに超える2400mの『ドバイ・シティ・タワー』の開発にも期待が寄せられている。

また、エミレーツ航空の関連商品も取り扱う「ドバイ」で2番目に大きい『モール・オブ・ジ・エミレーツ(エミレーツモールとも呼ばれる。)』は、中東初のウィンタースポーツが楽しめる施設も完備されていることでも有名だ。

「ドバイ」の雄大な砂漠を独り占め!?スリル満点のサファリツアー

日々、急成長を遂げる都市部に集中する観光地に劣らない魅力を放っているのが、「ドバイ」の雄大な砂漠で繰り広げられる砂丘ドライブ『サファリツアー』である。

「ドバイ」市内からもアクセスが便利な砂漠地帯を舞台に、専門ドライバーが運転する4WD車で砂漠を駆け巡る『サファリツアー』は、砂丘のジェットコースターと例えられるほど、迫力満点のアクティビティだ。

ドバイ

サファリツアーに向かう様子

ただし、何度も繰り返される斜面の丘を上り下りする豪快な動きは、体質的に向かない場合もあるため、ツアーに参加するかは自身の体調と十分に向き合ってから決めるのが確実であり、注意が必要な点でもある。

ツアープランによって料金の変動はあるものの、日本円で一万円前後で参加できるプランが多いため、保護地区に指定されている「ドバイ」の砂漠地帯で体験できる貴重なアトラクションとして話題を呼んでいる。

砂丘ドライブの後には、砂漠でのバーベキューや夜空を眺めながら過ごす砂漠キャンプ体験といったレジャーを組み合わせることもできる。

日本の北海道とほぼ同じ面積といわれている「ドバイ」の砂漠の世界を贅沢に楽しめる時間は、「ドバイ」が守り続ける豊かな自然の力が与えてくれるものだ。

世界を相手に都市開発を進める「ドバイ」の姿とは別に、変化を追求することのない自然の魅力だけを強みにして、観光業に挑む「ドバイ」の新たな一面が『サファリツアー』には込められている。

 

アバター

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Audible で聴く
Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 【500年以上前に沈没】 南シナ海で発見された明時代の沈没船
  2. 日本の北欧雑貨の人気について調べてみた 「IKEA、Marime…
  3. 【アメリカの聖女から世界一の悪女へ】 ジャクリーン・ケネディの特…
  4. 台湾有事は本当に起こるのか?習近平の決断と権威主義国家の行動原理…
  5. 吉田城へ行ってみた【続日本100名城】
  6. アメリカ人はなぜバーベキューが好きなのか調べてみた
  7. 【凍土のタイムカプセル】ロシアの永久凍土から見つかった古代生物た…
  8. 客家人の神豚祭りとは 「無理やり餌を食べさせ、一番重い豚を育てれ…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

『小江戸』川越市の歴史と「蔵造りの町並み」が現存している理由

川越市は、都心からのアクセスが良好で、観光スポットとしても非常に人気があります。江戸…

戦国時代の「毒殺」について解説 ~毒殺された噂のある人物たち

戦国時代は、現代のように医師による死亡診断などは当然確立しておらず、死因が不確かな事例が少な…

アジアの女性人生ドラマが支持され続ける理由 「東京タラレバ娘、39歳、30女の思うこと〜上海女子物語」

女性の友情や人生の選択、そして死生観を描くドラマは、いつの時代も視聴者からの熱い支持を受け続けている…

懐かしの築地グルメを振り返る【オススメ名店】

築地市場の移転 からもうすぐ1年です。築地の場内市場があった時代は多くの人が美味しい…

奈良の名僧、若き僧侶への嫉妬で地獄行き「なぜあいつばかり…!」

元興寺とは元興寺(がんごうじ)は「古都・奈良の文化財」の一つとして世界文化遺産に登録され…

アーカイブ

PAGE TOP