教育

現役中学生に聞いてみた「現代っ子に忘れ去られた昔の遊び」

現役中学生に聞いてみた「現代っ子に忘れ去られた昔の遊び」

Σ64ベーゴマ(尾県郷土資料館で撮影)

「中学生のコミュニケーションにはスマホが必須!」
そんな風潮が、だんだんと普通になりつつある現代。
その子達の親世代である筆者が親しんだ『子どもの遊び』は失われつつあるようだ。

これは、筆者が現役中学生である息子に

『周りのお友達は何して遊ぶの?』

と何気なく聞いたところ、得たお話である。

『竹馬』『ベーゴマ』『ちゃんばらごっこ』

「そもそも、竹馬を持っていない。」

「ちゃんばらって何?時代劇のように刀を振りかざす?ところでその『時代劇』って、何?」

息子の同級生達が話していた言葉である。

そう、子どもが遊びを無くしたのではない。
大人が子供を遊ばせる場所を、遊ばせる道具を無くしていったのであろう。近年は真っ新の土地は駐車場になり、空地というものが無くなってゆくことが多い。
子どもが遊べるように配慮されている公園でも

「ボール遊びはしないでください!」

という看板が立ててあるこの時代。

息子がベーゴマやめんこを覚えても一緒にやってくれる相手が見つからず、全然楽しめないという経験もあった。
わかっちゃいるけど、土地や公共の場の話、グループでの遊びまでは自分一人で何とかできる問題でもないし、どうして良いのかわからない…そんなモヤモヤを抱えてしまう。

『缶蹴り』『缶ぽっくり』『竹とんぼ』『ゴム飛行機』

筆者が子どもの頃は、ちょうどゲームが生まれて広まっていく、そんな時期だったのかもしれない。
ゲームを持つ子が増えていき、ゲームを手に入れることで社会的地位を得るかのような感覚もあったが、その一方で缶蹴りドロケイ鬼ごっこなど、外で駆けずり回る遊びも残っていた。
竹とんぼも学校におじいさん先生(?)が来て、竹を削って竹とんぼを作る所から教えてくれた。それを家に持ち帰り、自分でカッターを使って削り具合の調整をしたものである。
ゴム飛行機なんかも『ゴムの力を利用して飛ばす』という、知恵の塊のような姿に格好良さを感じたものだ。

今は、どこへ行ってもゲームかスマホで遊ぶという子が増えた。

「缶蹴りって何?」
「竹を削る?ナイフの持ち方がわからない。(鉛筆をカッターで削ったことないし…。)」
「ゴム飛行機?…見たことない。」

そんな友達もいるようだ。

もちろん、これだって『どの子もそうだ』と言う訳ではない。
親が教えているご家庭もあるだろうし、地域の集まりやお祭りで昔遊びを楽しむ場を提供していることもあれば、缶蹴りやゴム飛行機が大好きだという子だっているだろう。

ただ個人的には、
昔は『知っていて当たり前』だと思っていた遊びの認知度が下がっている

ということを実感する場面が増えた。

『凧上げ』『コマ』『羽子板』

お正月になると家族で毎年凧を上げに行き、室内ではコマ、家の前では羽子板を楽しむ。
そんな人もいるのではないだろうか。
ところがこれらは学校で先生に教わる遊びと変わりつつある。
道徳の時間に昔遊びをしたり、放課後の学校開放や学童で昔遊びを企画する。やってみれば本当に楽しいようで、子どもは目を輝かせて家路に着く。
ただ、息子の友達の中には
「羽子板って、学校で教えてもらうまで知らなかった」
という子もいる。
確かに、近年家の前で羽根突きをする光景を見たことがない…そう気付いて、ハッとした筆者であった。

『漫画雑誌』

友達との話題のネタは、もっぱら『面白動画』。

ネットで公開されている動画を見て、腹を抱えて笑う毎日。
そんな子が増えた一方で

「漫画雑誌を読まない」

という子も出てきたようだ。
特に衝撃なのは、息子が友達に漫画の話を振った時

「漫画を読むと頭が痛くなる」

こう返されたと教えてくれた時だった。
もちろん、これは一例であるが

『漫画ばっかり読んでないで、勉強しなさい!』

という掛け声が印象的だった子ども時代を過ごした人にとっては、驚きなのではなかろうか?

 

近年はスマホを持っていない子が、スマホを持っている子達と遊ぶと、話題が全くかみ合わずに苦労するようだ。

最後に記載しておくが、スマホが悪い訳ではない。
様々な事情でスマホを持たせているご家庭が多いだろうし、ゲームだって節度を持って遊べば楽しい思い出になるだろう。
ただ、これだけの遊びを

「知らない」

という子達が大人になり、親になったとき、自分の子どもと何をして遊ぶのだろう?
そんな想像をしてしまう筆者であった。

鈴蘭

投稿者の記事一覧

ライターをしている鈴蘭です。
自身の失敗から学んだことを記事にしたいと思います。
一緒に頑張りましょう!

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. LGBT当事者から学ぶ「カミングアウト」の深い意味
  2. 【実録】ブラック企業を刑事告訴してみた!不当解雇→未払い→告訴の…
  3. 車中泊が捗る!便利グッズおすすめ5選
  4. フォークリフト免許の取得方法 【人生が捗る!】
  5. 多様化する教育の現場、自宅を拠点に学習する 「ホームスクーリング…
  6. 「ぼーっとする時間」と「毎日25分の散歩」が人生の成功をもたらす…
  7. 「商業高校生必見」 全商検定3冠を効率的に目指す方法 〜おすすめ…
  8. ハイレゾ について調べてみた【オーディオ界の救世主!?】

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

いざ江戸城へ!家康のお国替え『徳川実紀』を読んでみよう【どうする家康】

北条氏政・氏直父子を滅ぼした豊臣秀吉から、関東への国替えを命じられた「我らが神の君」徳川家康。…

西行 ~若くして突然出家した超エリート武将【桜を愛した歌人】

若くして武士の身から出家した 西行武士が台頭し始めてきた平安時代末期。後に一大勢力を築き…

Buddypressの日本語化※バージョン 1.9

このサイトはwordpress、Buddypress、+マルチサイト化で運営しております。先…

劉備&劉禅で最後じゃない!『三国志』時代以降も受け継がれた漢王朝の後継国家を紹介

漢(かん)王朝と言えば高祖・劉邦(りゅう ほう)が興し、一度は断絶するもののやがて復活。その後、魏(…

戦国時代の驚くべき裁判方法~ 湯起請と火起請とは 【焼けた鉄を長く握れた方が勝利】

現代社会において犯罪の捜査は、科学的な手法に基づいて行われています。指紋やDNA鑑定などの科…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(週間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP