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新婚旅行の歴史と現代事情【人気のハネムーン トップ10】

新婚旅行の語源

新婚旅行の歴史と現代事情【人気のハネムーン トップ10】

日本語で新婚旅行というと、いわゆる結婚式後に新婚カップルが2人で出かける旅行を指しますが、ハネムーン(Honeymoon)と英語表記になると語源が異なるようです。

古代から中世にかけてのヨーロッパでは

「精力増強剤であったミード(蜂蜜酒)を作って花婿に飲ませ、ひと月こもって子作りに励む。甘い期間はひと月ぐらいのものである」

といった言い伝えがあり、月が期間を表すのであれば、「蜜月」と直訳して結婚直後の甘い期間を指す言葉のようです。

海外の新婚旅行の歴史

新婚旅行の始まり

19世紀初頭のイギリスが始まりとされています。
結婚式に出席できなかった親せきの家に家族や友人を伴って訪問するとう、いわば挨拶回り的な旅行が始まりでした。

この習慣はブライダルツアー(Bridal tour)と呼ばれ、ヨーロッパ中へと広まり、中産階級以上のお金持ちたちの習慣となりました。

夫婦だけの旅行はいつから?

19世紀後半になると夫婦ふたりっきりの旅行を楽しむようになります。
20世紀半ばにはリゾート地への旅行が人気となります。
20世紀後半には旅行会社が様々なツアーを打ち出しました。

現代の欧米の新婚旅行事情

結婚式直後は資金が不足していることや、長い休みが取りづらいなどの理由から、先ずは2~3日のミニムーンや週末などの1~2日の短い旅行を楽しみ、落ち着いてからじっくりハネムーンを楽しむという形態が昨今の欧米では流行っているようです。

日本における新婚旅行の歴史

日本初の新婚旅行は誰?

新婚旅行の歴史と現代事情【人気のハネムーン トップ10】

坂本龍馬座像。慶応3年頃撮影

1866年に薩摩に向かって旅をした坂本龍馬お龍が日本初と言われているのが定説のようですが、桂小五郎(木戸孝允)夫婦説、小松帯刀説、梁川星巌説、1856年の薩摩藩家老の小松清廉説など諸説あります。

新婚旅行という言葉が使われ始めたのは、いつ?

1889年(明治22)に東京日日新聞で欧米文化としての「Honeymoon」を井上円了が「新婚旅行」として紹介したのが最初だと言われています。

大正~昭和前期

欧米文化を取り入れた上流階級のステータスとして新婚旅行が広まっていきます。

1924年(大正13)、のちの昭和天皇、裕仁親王と良子様は婚姻後、福島の高松宮翁島別邸で過ごしています。
1929年(昭和4)婚姻された高松宮宜仁親王と徳川喜久子は欧州を1年以上に渡って訪問しています。

昭和中期~後期

1947年(昭和22)民法改正により夫婦は対等な個人とみなされ、加えて1959年(昭和34)の皇太子明仁親王と正田美智子さん、翌年の清宮貴子内親王と島津久永さんの恋愛結婚が後押しとなって若者の結婚観も変化、恋愛結婚が見合い結婚を上回るようになります。

1950年代、国鉄の発足や高度経済成長の影響で一般人も旅行を楽しむようになります。

1960年代、茶道家の塩月弥栄子さんの「冠婚葬祭入門」がベストセラーとなり結婚式の風習や海外の文化が紹介されます。

国鉄はキャンペーンで各地の復興を行い、これにより熱海などに電車で新婚旅行に行くのがブームになります。

1964年(昭和39)、海外旅行の自由化がされ、ハワイ等に旅行する人が増えます。

1973年(昭和48)変動相場制移行やホノルル・グアムと日本間にジャンボジェットが導入され、1975年にはハワイへの新婚旅行も増え始めます。

1985年代は北米や欧州など新婚旅行の行き先も多様化します。

平成以降

1990年~2000年代は円高の影響で、海外へ向けて豪華客船や大陸温暖鉄道など多様化・高級化・長期化のケースも増えました。

逆に長引く景気不況の影響を受けて地味婚や新婚旅行をしないカップルも増えています。
子供の手が離れた団塊の世代が「新婚旅行に行けなかった」と熟年旅行を楽しむケースも増えています。

日本初の新婚旅行と言われる坂本龍馬とお龍はどこへ行った?

寺田屋事件の傷を癒すことを兼ねて鹿児島県に新婚旅行に出かけた坂本龍馬、そのルートをご紹介します。

竜馬とお龍が訪れた温泉は現在「龍馬公園」として整備されています。

上原淳也さんによる写真ACからの写真

日帰り温泉(大人360円)、足湯(無料)、新婚旅行について書かれた竜馬直筆の手紙がみられる資料館(300円)があります。

竜馬とお龍が立ち寄ったとされるルートやゆかりの高千穂峰を訪ねるコースは以下のとおりです。鹿児島空港でレンタカーを借りて霧島方面に向かい「竜馬の新婚旅行ルート」を巡るのもおすすめです。

・霧島周辺観光コース : 塩浸温泉→(車で10分)→和気神社→(車で3分)→犬飼の滝→(車で40分)→霧島神宮

西郷隆盛や小松帯刀に勧められた切り傷に効能がある「塩浸温泉」には18日間滞在されたと言われています。

霧島山中腹にある温泉群「霧島温泉郷」、その中でも唯一竜馬が立ち寄った硫黄谷温泉の湯を楽しめるのは「霧島ホテル」です。

このホテルでは竜馬も温泉に宿泊した際に食したと言われる「黒豚しゃも鍋(黒豚と軍鶏と季節の野菜に秘伝のつゆの鍋)」が楽しめます。

・高千穂登山コース : 高千穂河原→(徒歩で60分)→馬の背超え→(徒歩で30分)→高千穂峰・天の逆鉾→霧島神宮

今どきのカップル、新婚旅行はいつ行くのか?

現在はコロナで日本はもちろん世界的に旅行も自粛ムードですが、以下は平常時のデータとして参考にしてください。

2018年の結婚情報サイトのアンケートによると

新婚旅行の出発のタイミング
結婚式の前               6.9%
結婚式当日               1.3%
結婚式を兼ねて             8.0%
結婚式の翌日              9.8%
結婚式の翌々日から1か月未満      23.0%
結婚式後1~3か月未満         16.8%
結婚式後3か月~半年未満        12.7%
結婚式から半年以上後          7.1%

結婚式場にパックとして旅行も含まれている場合もあり、式場のホテルに一泊してから、式の片づけ、旅行の準備をして翌々日に出発というのがやはり多いようです。

が、結婚式後1月以上のケースも合計すると、36.6%もおり、日本も多様化しています。

できちゃった婚や経済的に余裕がない、仕事が忙しいなどの理由も様々ですが、落ち着いてからゆっくり旅行に出るというカップルも増えているようです。

人気の新婚旅行先 トップ10

大手旅行会社JTBがあげる人気新婚旅行地ランキングトップ10

新婚旅行の歴史と現代事情【人気のハネムーン トップ10】

イタリア ミラノ Igor SavelievによるPixabayからの画像

・10位 タイ・プーケット島
「アンダマン海の真珠」と呼ばれるマリンリゾート地
・9位 ベトナム
人気のベトナム料理とビーチリゾート
・8位 中欧
プラハやウイーンが人気都市、ドナウ川クルーズやオーケストラ鑑賞がおすすめ
・7位 アメリカ
ニューヨーク、ラスベガス、グランドキャニオン、本場のディズニーリゾート
・6位 グアム
フライト時間が3時間と手軽、ショッピングやマリンアクティビティ
・5位 フランス
ショッピング、セーヌ川クルーズ、モンサンミッシェル、南仏リゾート、古城ホテル
・4位 バリ島
スパやコテージ宿泊 リゾートハネムーン
・3位 スペイン
フラメンコ、バルセロナ、サグラダファミリア、コルドバ、日本人好みの食事
・2位 ハワイ
ビーチリゾート、ショッピング、充実のリゾートハネムーン
・1位 イタリア
ミラノでショッピング、フィレンツェで美術・建築巡り、ローマで歴史散策、ベネツィアでゴンドラの4都市巡り、南イタリアのカプリ島青の洞窟も人気

芸能人に人気の新婚旅行先は?

・佐々木希&渡部健 タヒチ
・ゆずの北川悠仁&高島彩 モーリシャス
・戸次重幸&市川由衣 モルディブ
・DAIGO&北川景子 マレーシア
・堺雅人&菅野美穂、村田充&神田沙也加、小栗旬&山田優、太田博久(ジャンポケ)&近藤千尋 ハワイ
・デビッド・ローレン&ローレン・ブッシュ アマルフィ海岸

ハワイ マウイ島 hmmunoz512によるPixabayからの画像

日本から所要時間8時間ほどで到着でき、清潔で安全、日本語も通じやすくて、食事やショッピング、アクティビティも豊富なハワイはやはり昔から王道のようです。

芸能人はお仕事忙しいからか、調べてみるとハワイがダントツでした。
一般の方ではイタリアが人気一位!ハワイが当然一位だろうと思って調べていたので意外でした。

新婚旅行の場所も時期も多様化している現代。これから結婚される方、まだ旅行されていないカップル、熟年のカップルさんたち、ハワイだけではないようですよ。

そしてお金が溜まってから、暇ができてからゆっくり旅行するカップルも多いようです。

じっくり考えて素敵な思い出に残る新婚旅行を是非お楽しみください。

 

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猫田茶々丸

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