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世界で最も恐ろしい言語とは?

1位にランクインしたのは?

ある調査によると「中国語」が第1位にランクイン。

中国語の習得には、長い時間かかるというイメージを多くの人が持っているのではないだろうか?
漢字を使用するため、日本人にとっては比較的理解しやすいとされているが独学は難しいとされている。

中国語は日本語にないルールや声調、日本語とは異なる特徴を持つ言語である。

中国語

中国語の挨拶

文化や考え方を表す言語

言語はその国の人々の文化や考え方を直接表す。各々の言語と文化の違いを超えて対話するためには、当然そういった「違い」を理解することが大切である。また同時に「同じ」部分もあり、言語の学習はとても面白い。

日本語について言うと「侘び寂び」や「」を重んじ、敬語や尊敬語など礼儀を重んじる言葉が多くある。興味深いのが「謙譲語」で自分を低めることで相手の立場を高めるという言葉がある。

日本語はよく言うと礼儀正しく、悪く言うととてもまどろっこしい言語のように思える。
つまり言葉の裏を読む、空気を読むことが日本語コミュニケーションにとって最重要であり直接的に意味を伝える事をあまりしない。ある資料によると日本語を90%理解するためには語彙数が10000語も必要とされる。

中国語について言うと「利便性」を重んじる言語といえる。中国人(もちろん人によって違うが)の思考回路はいったてシンプルだ。よく言うとシンプルで悪く言うと単純である。

例えば、たった二文字「我去」で「私は行きます」という意味になる。敬語の種類も多くなく、時制を表す単語も明解で覚えやすい。

しかし全てが漢字のため、漢字を知らない外国人にとっては習得はかなり難しいと思われる。

中国語を90%理解するために必要なのは、日本語の半分の5000語必要とされている。

なぜ中国語が恐ろしい言語とされるのか?

代表的な理由としては、まずその語彙の豊富さが挙げられる。

中国で一番権威のある辞典「現代漢語詞典」には65000個の単語が収録されている。その他、「成語」という4文字熟語も存在する。

中国語

成語

成語は中国人の間で驚くほど活用されており、何かの物事、状態を表すのに非常に便利である。あまりに自然に使っているので成語と気が付かない場合もある。成語は3000~5000個ほどあり、外国人が学ぶ上で日常生活に必須とまではいかないが学んでみるととても興味深い。

もう一つの理由はその発音であろう。中国語は5声の声調で成っている。

1声;高→高の発音。少し高い声で歌を歌っているように、高く平に発音。つまり上がりも下がりもしない平な発音。
2声;中→高の発音。語尾を高くあげるような感覚。日本語で意外な事を言われた時の返事。「は?」「え?」と答える時の発音に近い。
3声;半低→低→半高の発音。日本語ではがっかりした時の「あーあ」と言う時の発音に近い。つまり低い発音から始まって低い発音で終わる。
4声;高→低の発音。日本語では大変な仕事を終えた時の「ふう」と言う発音に近い。NHKの中国語講座の講師によるとカラスが「カーカー」鳴く時の発音に近い。
5声;軽声。前の語句の発音に添えて軽く発音される。1~4のどの声調にも属さない。軽声を強く発音してしまうとネイティブは聞き取れない。

このように5つの声調から成っている。

日本語は口をあまり大きく開いて発音する言語ではないため、中国語のようにはっきりとその言葉の声調を発音するとなると日本人はなかなか習得できない。

中国語学習者はまず「ピンイン」という日本語の平仮名に相当するものを学ぶ。ピンインの中に「h」が含まれている場合、その前の文字を巻き舌で発音しなければならない。これもまた非常に大切で巻き舌ができないと中国語は話せない。

そして中国語にもドイツ語のように「ウムラウト」がある。「U」につけられる符号で「女」や「魚」といった単語がそれに相当する。単純な「ウ」の発音ではなく「YU」の発音に近い。下を窄めて発する音である。

中国語

中国語の声調

言語学習は面白い

中国語について簡単に説明してみたが新しい言語を学ぶのは非常に面白い。その国の文化や歴史についても一緒に学ぶ事ができる。

中国語は簡単に習得できる言語ではないが、日本人の一つの利点としては「漢字を知っている」という事である。発音できなくても意味はわかる。会話していて意味が分からない単語は、書いてもらうと大体の事は分かる。

皆さんもこの恐ろしくて面白い言語を、機会がある時は是非学んでみてほしい。

 

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草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

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