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【コービー・ブライアント】2020年ヘリコプター墜落事故 「なぜ墜落したのか」

2020年ヘリコプター墜落事故

画像 : コービー・ブライアント wiki CC BY-SA 2.0

NBA(National Basketball Association)は、1946年の設立以来、数々のスーパースターたちがその名を刻んできた、アメリカのプロバスケットボールリーグである。

その中でも、コービー・ブライアントは強く愛され、称賛された選手の一人であった。彼の卓越したプレイスタイルと情熱は、多くのファンやプレイヤーに影響を与えた。

2020年、世界中のバスケットボールファンは悲しみに包まれた。コービーはヘリコプター事故で突然この世を去ったのである。

今回は、コービー・ブライアントがどのようにNBAの歴史に名を刻んだのか、そして、なぜあの悲しい事故が起こってしまったのかについて紐解いていきたい。

誕生から幼少期:日本との深い縁

画像 : 神戸市の絶景 wiki c Naokijp

彼の名前である「KOBE」は、彼の父ジョー・ブライアントが好んで通っていたアメリカの鉄板焼きレストラン「Kobe Steak House(神戸ステーキハウス)」で食した神戸牛に感動したことから名付けられた。

1978年、アメリカのフィラデルフィア州で生まれたコービーは、父親がNBA選手であったため、アメリカ中を転々とする生活を送った。
引っ越しの多い幼少期を過ごしながらも、父の影響でバスケットボールに興味を持ち、自分もNBA選手になることを夢見るようになった。

1998年、コービーは初めて自身の名の由来となった神戸市を訪れ、東京で開催されたアディダス・ABCバスケットボールキャンプでの募金を神戸市に寄付している。

NBA:スーパースターへの跳躍

画像:ホワイトハウスにてバラク・オバマ元大統領と写るコービー public domain

高校時代、コービーは州の最優秀選手に選ばれるまでに成長し、その才能を広く認められるようになった。

卒業後、彼はNBA入りを決意したが、「高校卒業直後の選手が、プロの厳しい世界で成功するのは難しい」という批判の声も多くあった。

それにもかかわらず、ロサンゼルスに本拠地を置くレイカーズが彼を見出し、獲得することで彼のプロキャリアが始まった。

NBA加入1年目、コービーは主にベンチからの出場が多かったものの、そのプレーはファンに強い印象を与えた。彼のプレースタイルは、NBA史上最も偉大な選手とされるマイケル・ジョーダンを彷彿とさせ、多くのファンの心をつかんだ。

コービーがNBAに加入して2年後、ジョーダンが引退すると、コービーはNBAの中心的存在として脚光を浴びるようになる。
彼は37歳で引退するまでの20年間に、5度の優勝や最優秀選手賞など数々の偉業を成し遂げ、ファンに期待に応えた。

これらの実績は、NBAの歴史においても類まれな功績として語り継がれている。

引退後の活躍

画像 :コービーの背番号8番と24番は試合会場に掲げられている wiki c Troutfarm27

2016年に、プロバスケットボール選手としての華々しいキャリアを終えたコービーは、引退後もその情熱を新たな形で表現し続けた。

彼は、自身の半生とバスケットボールへの深い愛情を描いた短編アニメ映画『Dear Basketball』の脚本および、製作総指揮を務めた。この作品は、第90回アカデミー賞でアカデミー短編アニメ賞を獲得し、コービーの多才さと創造力を示す新たな功績となった。

家庭面では、次女ジアナが女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)を目指す姿が大きな注目を集めていた。彼女も父親譲りの才能と情熱を持ち、未来のスターとして期待されていた。

突然の悲劇

画像:事故翌日に撮影された墜落現場 public domain

2020年1月26日、カリフォルニア州で発生した悲劇的なヘリコプター事故が、世界中を衝撃と悲しみに包んだ。

コービーと、次女ジアナ(13歳)を含む乗員乗客9人が、ロサンゼルス北西約30マイル (48km) 地点のカラバサスで、ヘリコプターの墜落により命を落としたのである。

この事故ではコービーとその娘以外にも、娘の友人やその両親などが同席していた。
事故当時、コービーは41歳だった。

コービーは渋滞を避けるため、日頃から自家用ヘリを利用することが多かった。この日も彼らはジアナやその友人が出場する試合会場へと行く予定であり、コービーはそのコーチを務めることになっていた。

なぜヘリは墜落したのか?

画像 :多くのファンが悲しんだ wiki c Amin Eshaiker

彼らが乗ったヘリコプターは、カリフォルニア州のジョン・ウェイン空港を離陸し、カマリロ空港へと向かっていた。
予定飛行時間は約30分であったが、その日は悪天候で視界が悪く、通常の飛行ルートを避けるため、別ルートを選択した。

事故は午前9時42分に起こった。起伏の激しい地域に入り、視界は次第に悪化していたため、パイロットは午前9時44分に機体を上昇させることを要請した。南カリフォルニアの管制官は承認したが、その地形によりレーダーの電波が届かなくなる可能性を伝えた。

その後、パイロットは雲を避けるために機体を高度4,000フィート(1,200メートル)まで上昇させ、この高度を維持する意向を管制に伝えた。しかし、その後わずか1分後の午前9時45分、機体は墜落した。

事故から1年後の2021年2月9日、調査結果では、パイロットが厚い雲の中に入ったことにより、空間識失調(平衡感覚を喪失する状態、めまいなど)が引き起こされ、機体の制御が失われたと結論付けた。

さいごに

このニュースはアメリカだけでなく、世界中でも大きく報じられ、X(旧ツイッター)やYouTubeなどのSNSには、彼の突然の死を悼む声が数多く寄せられた。

日本でも多くのファンがいたコービー・ブライアントのバスケットボールへの情熱と偉業は、永遠にファンの心に刻まれることだろう。

参考 :
The Mamba Mentality: How I Play by Kobe Bryant (2018)
Investigators report Kobe Bryant’s pilot got disoriented in clouds | AP

 

草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

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