人気ゲームシリーズ『三國志』
三国志を題材にしたゲームの代表格といえば、コーエーテクモゲームスの『三國志』シリーズである。
筆者も『三國志』シリーズのファンであり、クリアしたのはGB版、DS、Ⅷ、13、14の5作しかないが、初めて触ったGB版から数えると21年の付き合いになる。
今回は、35年以上の長きに渡って三国志ゲームの頂点に君臨する『三國志』の基本と、初めてクリアしたGB版の思い出を紹介する。
『三國志』シリーズとの出会い
第一作の『三國志』がこの世に生まれた1985年だが、この頃はまだ生まれておらす 、三国志というコンテンツに興味を持ったのも中学生の頃である。
『三國志』というゲームがゲームボーイであるのは知っていたが、小学生だった当時はまだ三国志に興味がなかったため、ゲームもスルーしていた。
中学生になって『横山三国志』と出会い、ドラマの『三国演義』で完全にはまった訳だが、そうなるといつか前に見たゲームの『三國志』も欲しくなる。
当時は『真・三國無双』ブームだったが、PS2もPCも家になかった事情もあり、必然的にターゲットは『三國志』のゲームボーイ版になった。
本当はGBC(ゲームボーイカラー)対応の『三國志 ゲームボーイ版2』が欲しかったのだが、入った中古ゲーム店にあったのが初代の『三國志ゲームボーイ版』のみであり、妥協せざるを得なかった。
『三國志』の基本
思い出話が長くなってしまったが、本題に入る。
『三國志』というゲームの基本は、国力を充実させてから隣国に戦争を仕掛けて領土を拡大するというもので、それは2022年現在の最新作である14でも変わらない。
その「国力を充実させる」ための作業だが、自分の場合、真っ先に優先するのは領地の拡大と兵糧の確保だ。
既に一強状態となっている中盤以降の曹操(魏)のシナリオはその作業をする必要もないが、戦力が拮抗していて領地も少ない初期シナリオはどの勢力にもチャンスがある。
正確には、初期のシナリオであればあるほど空白地が多いから領地の拡大が容易であり、イコールで多くの兵と金と兵糧を得る事が出来る。
そのため、スタートダッシュは非常に重要である。
特に、最初のシナリオである『黄巾の乱』は南部がスカスカであり、中国の中央部にあり、軍を各地に進めやすい荊州を拠点に始めるとかなり楽である。
また、荊州には優秀な人材が多数眠っているため「探索」は後の主力武将を手に入れる重要なコマンドである。
自分も13では襄陽、14では成都を拠点に開始してから速攻で領地を広げ、労せず一瞬で最大戦力を持つ勢力になれた。(何故14で成都から始めたのかは別の機会に書きたい)
筆者の場合は(よせばいいのに)自分で全ての都市を攻め落とすという面倒な縛りを課しているため、普通にやるより倍以上の時間が掛かっているが、領地を広げて物資が整えば、後は数の力で制圧するのみである。
高難易度になるとまた話も変わって来るのだろうが、簡単な難易度で楽しみたいエンジョイ勢は領地を広げてから探索で優秀な武将をかき集めておけば、天下統一は目の前だ。
戦争で領地を拡大
シリーズによってシステムが違うので一括りには出来ないが、どの作品でも最も時間を費やすのは戦闘である。
ここでは、筆者が初めてプレーしたGB版で劉備を死亡させた後に関羽で統一した思い出を振り返る。
GB版には『董卓の横暴』と『劉備の雌伏』の2つのシナリオしかないが、劉備は、関羽に張飛、趙雲(探索で登場)といったチート武将がいるため多少不利な状況でも勝ててしまう。
そのための準備として、まずは兵を集める必要がある。(兵を養うための金と兵糧はそれぞれ200は欲しい)
徴兵コマンドで出来る限り兵を集め、関羽(張飛、趙雲でも可)になるべく多くの兵を持たせて出陣させる訳だが、このゲームは一騎打ちが出来る武将で一騎打ちを繰り返すだけで終わる「一騎打ちゲー」である。
劉備の領地である并州は董卓の司州に隣接しているためほぼ確実に呂布と戦う事になるが、武力100と最強の呂布でも、関羽、張飛、趙雲に立て続けに挑まれたら一溜りもない。(白兵戦に持ち込む場合は関羽の伏兵で大ダメージを与えて呂布を生け捕りにすれば固有アイテムの赤兎馬が手に入る)
100対40と倍以上の兵力差があっても一騎打ちで勝てば相手を敗走(もしくは討ち死に)させられるため、コマンドで一騎打ちが出来る武将はかなり重宝する。(さすがに一騎打ちに負けて毎回敵部隊壊滅になったらバランスが崩れてしまうため、最近の作品では一騎打ちで勝っても即捕縛にはならないが、一発逆転のチャンスに加えステータスの武力が上がるチャンスである)
関羽に手柄を取らせるため張飛で削って関羽でとどめを刺すのが自分の基本パターンだが、今作に於ける一騎打ちを持った武将の強さはこれで伝わると思う。
董卓は2つ領地があり、司州を手に入れても即滅亡にならないが、最大都市で兵も金も充実した司州を手に入れれば後は数の力で滅ぼすだけだ。
戦争とともにシリーズの目玉である内政だが、民忠誠度や洪水発生度を管理する必要があるが、君主の統治する州以外は委任で勝手にやってくれるため金と兵糧だけ与えて政治の高い武将に任せておけば豊かな土地になるので正直おまけである。(結論から言ってしまうと、全てが揃った司州を抑えておけば他のサポートに回せるため全てが解決する)
『三國志』の基本が詰まった30年前の名作
今回は『三國志GB版』を紹介した。
30年前の作品であるためボリュームも難易度も最新作に比べると物足りないが、金と米(兵糧)という『三國志』の基本が当時(正確には初代)から完成していた事に驚かされる。
時代が進むにつれてハードも技術も進化しており、新たなシステムに武将の強化、弱体化、そしてグラフィックの美麗化(それに伴うPC要求スペックのエスカレート)といったパワーアップにも驚くが、最初にやる事だけはどの作品も変わらないというのは実家のような安心感がある。
今の時代にゲームボーイを普段使いしている人も、わざわざネットで探し出して遊ぶ人も多くはいないと思うが、筆者のシリーズデビューとなった『三國志GB版』は、当時のハードの限界に挑みながらユーザーを満足させるよう努力した30年前の名作だった。
おまけ…関羽か張飛でクリアしたい方へ
最後に、劉備で始めて関羽でクリアする方法を紹介する。
関羽、もしくは張飛でクリアしたいユーザーが徴兵よりも先に行う行動は「後継」である。
『三國志』シリーズは基本的に君主の死亡以外で交代は出来ないため、関羽を君主にしたい自分にとって劉備には早期に退場して貰う必要がある。
なので、まずは「後継」で関羽を「太子(優先順位1位)」に任命して関羽の国を作る準備を整えてからゲームスタートとなる。(今作の後継は兄弟や親子といった血縁関係のある者しか出来ないが、関羽も張飛も実際には血縁関係がないという突っ込みはしてはいけない)
その後はいつも通り戦力を整えてから戦争を仕掛けて領地を拡大すると、劉備と最低限の金、兵士、兵糧を残して全員并州に送る。(司州以外に攻めても問題はないが、最大都市洛陽を抱えているため司州を取れば一番楽になるので自分は司州を真っ先に攻略する)
後は曹操の領地でも董卓の領地でもいいので、劉備に兵士1人だけ持たせて出陣させて戦死して貰うだけだ。(捕縛だと返される可能性もあるため弓矢「攻撃を受けて兵士が0になったら確実に死亡する」が使える呂布の元に向かうのがベターである)
GB版は戦闘で負けると攻めた側でも領地を奪われてしまうが、司州には最低限の物資しか残していないので、すぐに攻め込むと相手は逃げるしかないため領地の奪還は簡単である。
勢力図が劉備死亡前に戻ったところで晴れて関羽を君主にした『三國志GB6版』がスタートする訳だが、やる事に変わりはないためセオリー通り関羽で一騎打ちを仕掛けるだけで天下統一が出来る。
なお『劉備の雌伏』で関羽は曹操に仕えているが、初期から隣接している劉備と曹操の戦闘中に劉備の元に帰って来る『関羽千里行』というイベントがあるため、すぐに劉備軍の武将になってくれる。(その後劉備を殺す事を含めて手順は大して変わらないので割愛する)
劉備の後を継げる関羽か張飛を君主にしたい人(強いて言うなら曹操一族に好きな武将がいる場合)以外は特にやる意味もない小ネタが、EDが関羽仕様になっているため、関羽推しの人でお金と暇のある方は数時間使って見る価値があると思うので挑戦して欲しい。
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