『三國志14』のエンディングを迎えるまで
これまで2回に分けて『三國志14』のレビューをして来たが、最終回となる今回は、感動のエンディングと、クリアした感想を述べる。
実はバッドエンド?クリアしなくても見られる中間エンディング
順調にゲームが進んで最大勢力になると、後は消化試合となり、同じような戦闘を最後まで繰り返す飽きとの戦いになる。
『信長の野望』シリーズでは特定の条件を満たした後に発動出来る「惣無事令」というゲーム途中でもクリア出来るイベントがあるが、『三國志』でも今作から「中間エンディング」というイベントが導入された。
35都市以上、70%以上の領地を支配するのが条件で、どう間違ってもここから負ける要素がない消化試合ながら、地味に長い残り30%を滅ぼす作業をしなくていい救済措置と思って早速クリックしてみた。
※動画にもあるがネタバレ
残った勢力を滅ぼして無事に天下統一した主人公だが、時の流れとともに朝廷は腐敗し、異民族の侵入を許すとともに五胡十六国時代を迎え、隋による統一まで争乱が続くのだった。
「バッドエンドじゃねーかw」
これは、中間エンディングを見た筆者のリアクションである。
エンディングが流れて、これだけ見れば間違いなくクリアしたはずなのだが、一通り笑った後に落ち着くと先程の不穏なテキストが気になってどうにもスッキリしない。
再びオープニングに戻ってニューゲームからシナリオを確認すると、思った通りクリアした証である「制覇」のマークがない。
一応、クリア報酬(?)として隠し武将である劉邦は手に入ったのだが、本来ならシナリオクリアで解放される『英雄集結』や称号といった要素は一つも手に入らず、今作で真っ先に見たエンディングは、各所でネタにされている「孔明の罠」ならぬ「コーエーの罠」だった。
罠の後にハッピーエンド
その後、全勢力を滅ぼして無事にクリアすると、明の時代まで千年以上続く大帝国を作った「ユーラシア史上最高の名君」として名を残すハッピーエンドのエンディングが見られた。(エンディング名は「異民族従属」で、他にもエンディングが存在する)
バッドエンドを用意して、救済措置と思わせた罠として仕込むのは遊び心として嫌いではないので笑わせて貰ったが、ネタが分かっている罠を何度も踏む物好きでなければ二度と見ないイベントに存在意義があるとは思えない。
文章にすると厳しい評価が目立ってしうが、初見殺しのバッドエンドを仕掛けるアイデアは悪くない(少なくとも自分は楽しませて貰った)ので、この手のイベントは今後も続けて欲しいと思っている。
素人の自分でも思い付くアイデアなので当然制作側も考えているだろうが、次回作で中間エンディングが登場する時は、領地の数や異民族との関係によって内容が変化する、やり込み要素として期待したい。
次回作にも期待したい良作
最後に『三國志14』をクリアした感想を述べる。
最も時間を使う戦闘システムやターン制が個人的に合わなかった事もあり、評価としては厳しいものになるが、配下を中国の外に出せるようになった事で更に自分だけの三国時代を生きられる、新たな楽しみ方が出来るようになったのは嬉しかった。
また、シリーズの醍醐味であり、最大の楽しみである、領地が広がるとともに戦力が充実していく様子を塗り絵という形で視認出来るようになり、これまで以上に領地の奪い合いをしている感覚を得られたのは楽しかった。
今作では多数のシナリオがあってかなりのボリュームになっている事もあり、だからこそ時間の掛かる移動やターンごとの強制ストップといった戦闘面のマイナスが惜しまれる。
一般ユーザーからの評価が高いのを見ても良作であるのは間違いないのだが、周回したいユーザーや各国を殲滅してクリアしたい戦闘狂にはやや厳しいゲームでもあると感じた。
中間エンディングの罠は笑うしかなかったが、海外との交易など新鮮な面もあったので、現在開発中と予想する『三國志15』には新たな仕掛けを期待したい。
おまけ…轟音の正体は?
おまけとして、ゲームのシナリオやシステムに対する感想以外の話になってしまうが、ある意味一番大事な部分から触れたい。
2019年10月にリリースされた体験版(プレイデータ収集版)をダウンロードしてプレーしていると、PCから轟音が響くようになった。
ケースを触るとかなり熱を持っており、PCの寿命を縮めてしまわないか心配になるほどで、ソフトを起動させてもロードが遅いため気軽に遊べるものではなかった。(ちなみに、轟音の正体はCPUを冷やすためファンが頑張っているからで、PCの異常ではない)
これは単純に自分のPCのスペック不足が原因なだけで『三國志14』自体に一切罪はないのだが、ただでさえ攻略に時間が掛かるゲームなのに熱暴走でいつ落ちるか分からない恐怖と戦うのは、精神衛生的にも良くない。
丁度自作PCデビューしようとしていたので、良い機会と次の作品でも予想される推奨スペックを満たすCPUとグラフィックボードを選んでPCを組んだら轟音問題は解決して、ストレージもSSDにした影響からかロードも短くなりストレスフルだった『三國志14』が一気にストレスフリーになった。
2016年に発売された『三國志13』がロースペックPCでも余裕で動いてくれたので油断していたが、ゲーム業界に於いて4年という期間は大きい。
進化したグラフィックは勿論、中国全土でリアルタイムで起きる戦闘など負荷が掛かる処理が行われている影響か、PCに求められるスペックもかなり上がっているため、まずは快適に動く環境を用意するのが必須となる。
特に、PCを長く使うなら5年先まで使えるスペックのパーツを選ぶ必要があるので、今後『三國志』や『信長の野望』をプレーする方は快適な環境を整えてから始める事を強くお勧めする。
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