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【自分の運命が書かれている】 アガスティアの葉とは

これは不思議の国、インドの不思議な葉っぱのお話である。

葉っぱと言ってもヤシの葉に書かれている。

アガスティアの葉って何?

アガスティアの葉とは

※出典 poonaykasha

インドに今から何千年も前にアガスティアという名の大聖者がいた。

その聖者がヤシの葉に人の運命を書き残した予言書が『アガスティアの葉』と言われている。

現在も南インドのターミールナードゥ州に残っていて、今生の現在・過去・未来とさらに、過去世の事や来世の事までも書かれている。

こんなことを聞いても「馬鹿げている」と興味をもたない人もいるだろう。

アガスティアの聖者は、誰が読みに来るのか、いつくるのかも予言して、読みに来る人の分しか予言書はないという。

アガスティアってどんな人物?

アガスティアの葉とは

アガスティヤ wiki c

どんな人物だったのかについての正確な記録はない。

ラーマ王子の家庭教師、ヴァシシュタやヴィシュワミトラと同時代の聖者という説があるがそうだとすれば、一万年以上昔の聖者ということになる。

また、かつてインド・アーリア民族が北インドから南進した際、それを導いたアガスティアと同一人物だとしてもかなり昔の人である。

アガスティアの葉は、なぜ現代に引き継がれているのか

アガスティアは、人の親指の指紋で葉っぱを検索するシステムを残したという。

その情報のみで探すのである。そして、その葉っぱを探し出すことや読み解くことは、専門の訓練を受けた人しかできない。

それを現代まで引き継ぐ正当な家系がある。

アガスティアの葉は、どれくらいのあるのか

一説には、百万枚はあると言われている。

それらの『葉』は、ナディと呼ばれる『葉』を読むリーダー達の所に分散して保管されている。保管庫には、ナディ・リーダー以外は入れないので、その状況は明らかにされていない。

『葉』を読むナディの場所は、マドラス市内や近郊だけでも20~30カ所あり、南インドの他の地域にも点在している。

どうやって自分の葉っぱをさがすのか

前述したように『親指の指紋(男性は右手・女性は左手)』を手掛かりに探すという。

いくつかの候補の葉をナディ・リーダーが持ってきて、質問がなされる。

その質問に『イエスかノー』で答えていき、最終的に自分の葉が見つかるのだ。

アガスティアの葉にはどんなことが書かれているのだろうか

アガスティアの葉は、古代のタミール語で書かれている。ナディ・リーダーが現代語に訳してくれるのだ。

『葉』は、1室から14室までに別れている。

1室:あなたの誕生から死ぬまでの大まかな人生が記されている。人生全般の流れである。
2室:財産、家族、家庭生活、教育、視覚について。
3室:兄弟・姉妹に関する事。訴訟問題、聴覚について。
4室:母親、土地、楽しみ、家、乗り物について。
5室:子供に関する項目で、その生死や子供を持てない理由、子供の将来について。
6室:病気や借金に出会う問題と解決方法について。
7室:結婚(主に初婚)に関する項目で時期や問題点・夫婦に関することについて。
8室:死期、寿命、事故について。
9室:父親、富、幸運、宗教、聖者の教えについて。
10室:仕事に関する項目。取引、引っ越しなどの良し悪しについて。
11室:人生での利益、再婚の方は、将来の結婚のことについて。
12室:出費、政治活動、外国との関連(旅行、外国人)、来世、解脱について。
13室:過去世、過去のカルマと救済法について。
14室:魂の救済のマントラ、あなたを助ける神や守護符について。

まず、必ず1室は、読まなければならない。後の章は、自分が気になる章を読めばよい。
1室~12室までは、現代から未来について書かれている。

13室と14室は、特別な章だ。

13室には、過去世について書かれている。過去に犯した罪などが書かれており、そのカルマが現世の人生にも影響しているとされている。

そして、そのカルマの解消方法も記されている。

例えば「○○寺院に行ってお参りをする」「貧しい人10人に食べ物を与える」など、それぞれ人によって違うのである。

アガスティアの葉とは

※ラクシュミ神の画像

14室は、13室のカルマの解消を行った後にナディ・リーダーがラクシュミ神に捧げるマントラを銅の板に刻み、そのマントラを毎日唱える。

これも人によって、前世のカルマによって日数が違うのである。

マントラが終了したのちナディ・リーダーから、銅の板を容器に詰め、タリスマ(お守り)として受け取り、身に着けると良いとされている。

何千年も前の『葉』が現代まであるのは何故?

ヤシの葉はかなり丈夫で長持ちするが、当然経年変化し劣化していくため、2~300年ほどで新しい葉に書き写しされる。

そしてナディ達に深刻な問題が発生している。それは葉を書き写す技術を有する者が一人もいないことである。

文字は、数センチ幅の葉に非常に細い字でびっしりと彫り込まれていて、非常に高度な技術を必要とするらしい。

劣化が進んでいる今、パソコンを使った保存がされる日が来るかもしれない。

アガスティアの葉に書いてあることは正しい?

アガスティアの葉は、魂の浄化の書とも言われている。

運命と宿命と自己の意思、そして、過去世と現世の因果関係などに思いを至らせるという意味で占いに近いかもしれない。当たっているところもあれば、そうでないところもある。未来の病気などのネガティブなことも記されているが、それが酷くならないように注意することはできる。

すべては、「気づきの度合いによって、起こることは変わりうる」という事だ。アガスティアの葉を読んだ人がどうとらえるかが大事なのである。

参考文献 アガスティアの葉とサイババの奇跡

 

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草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

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