2024年3月、英国のニュースメディア「ウェールズ・オンライン」は、世界的に有名な英国の本の街ヘイ・オン・ワイの町に近いヘイ・ブラフの人里離れた丘で、地元住民が高さ3メートルの巨大な金属製の物体(モノリス)を発見したと報じた。
形状は三角錐(さんかくすい)だったという。
モノリスとは
モノリスとは、本来は建築物や遺跡内で配置された単一の大きな岩で、1枚の塊状の岩や石から成る地質学的特徴を表すものである。
単に一枚岩ともいう。
しかし近年、SF映画「2001年宇宙の旅」シリーズに登場する、石柱状の謎の物体をモチーフとした人工物も「モノリス」と呼ばれるようになった。
本稿で紹介するモノリスは後者で、設置目的や作者も不明なことが多い。
世界各地で突如出現するモノリス
今回発見されたモノリスは、近年世界各地で突如出現している謎めいた同様の目撃情報のひとつだ。
2020年にも、ヨーロッパ各地の人里離れた場所で、複数の目撃情報が報告されている。
例えば、英国のコーンウォールにあるメリーメイデンズと呼ばれる有名なストーンサークルに出現したモノリスには、バズりを狙う何百人ものTikTokユーザーやインスタグラマーが殺到した。
キラキラと輝く銀色のこれらの構造物は、誰が何のために設置したものなのかと話題になり、ソーシャルメディアでは「これは間違いなくエイリアンによる仕業だ」という噂まで広まった。
これらのモノリスの出現によって一部では陰謀論まで巻き起こったが、「これはよくある手の込んだ地下芸術作品のひとつだろう」と考える人も多い。
ウェールズの丘に出現した謎のモノリス発見者の証言
地元住民のリチャード・ヘインズ氏は定期的にヘイ・ブラフでのランニングを行っているが、モノリスを見たのは初めてだと言う。
ヘインズ氏によると、その泥の中から突き出た高さ約3メートルのモノリスは、以前はなかった場所に突然出現していたという。
仲間の一人は2週間前に同じ場所を訪れたそうだが、その時には何もなかったそうだ。
ヘインズ氏はウェールズ・オンラインに以下のようにコメントしている。
最初は雨水を集める装置かと思ったが、よく考えればあまりにも高すぎて変だと思い、近付いてみたら全然違う代物で驚いた。
高さは最低でも3メートルくらいあって、三角錐の形状でステンレス製だった。
中が空洞だったので、想像したより軽かったと思う。
二人がかりで運んで地面に立てられるくらいの重さで、実際に立てるには大きな穴を掘る必要があっただろう。
数日で消えてしまった。
2020以降に発見された同様のモノリス
今回のモノリスの出現は、前述したように初めてではない。
ウェールズで発見された今回の謎のモノリスの由来はまだ不明だが、2020年にユタ州とカリフォルニア州で見つかった同様の構造物は、ニューメキシコを拠点とする「The Most Famous Artist」と呼ばれる芸術家グループの作品だった。
さまざまな奇想天外な噂が飛び交う中で、このグループはこの作品の設置を認めた。
2020年後半には、ルーマニアとウクライナでも同様のモノリスが出現した。
2021年にトルコに出現した別のモノリスは、政府による宇宙計画発表に先駆けて行われたパフォーマンスアートであることが判明している。
英国のソマセットでもモノリスが発見されており、「バンクシーじゃない(Not Banksy)」という言葉が刻まれていたという。
これは、正体が謎とされているYouTubeなどで有名なアーティスト、バンクシーがもうすぐ身分を明かすのではないかという噂に何かしら関連していると言われている。
さいごに
世界各国で出現している謎のモノリスだが、一部を除きほとんどのケースでは、誰がどんな目的で設置したのか依然として謎が多い。
なお、「The Most Famous Artist」と呼ばれる芸術家グループは、4万5000ドルでモノリスを販売していたという情報もあるようだ。
また世界各地のモノリスを制作したのは同グループではなく、モノリスを撤去する責任はないと語っているという。
興味がある方は、「The Most Famous Artist」のHPとInstagramをチェックしてみてほしい。
The Most Famous Artist
https://www.themostfamousartist.com/
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参考 :
Giant mystery monolith appears on top of Welsh hill | walesonline
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