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エンスラポイド作戦【ナチス親衛隊No.2暗殺作戦】

ナチス・ドイツのチェコ併合

エンスラポイド作戦」とは、第二次世界大戦下の1942年5月27日にイギリスチェコスロバキアの亡命政府によって計画・実行された作戦です。ナチス・ドイツの親衛隊指揮官「SSの化身」の異名をとったラインハルト・ハイドリヒを暗殺する作戦のことでした。

※ラインハルト・ハイドリヒ親衛隊中将(当時)

この暗殺作戦から遡る事3年前の1939年3月、ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーはチェコスロヴァキア大統領であったエミール・ハーハ対し、始めにスロヴァキアを分離・独立させ残りのチェコに関してはドイツへの併合とすることを強行しました。

ドイツを退ける力を保持していなかったハーハ大統領はこれを承認するしかなく、ドイツに併合されたチェコ部分は「ベーメン・メーレン保護領」とドイツから呼ばれることになりました。

チェコ統治の失敗

※コンスタンティン・フォン・ノイラート

当初この「ベーメン・メーレン保護領」の総督となったのはドイツの貴族であり外交官のコンスタンティン・フォン・ノイラートでしたがノイラートの統治は比較的穏やかだったため、ドイツに併合されたことを快く思わない住民の反抗が続きました。

これにより、ドイツの兵器生産拠点として重要だった同地の引き締めを図るためにヒトラーが送り込んだ人物がハイドリヒでした。
ハイドリヒはヒトラーから「ベーメン・メーレン保護領」の副総督に任命され、1941年9月にプラハに赴きました。

親衛隊(SS)のナンバー2

ハイドリヒは当時の親衛隊(SS)内の序列において、ハインリヒ・ヒムラ—に続くナンバー2といえる人物でした。

悪名高い秘密警察のゲシュタポなどの組織を統率する国家保安本部の長官を務め、ホロコーストの強力な推進者でもありました。このためナチス・ドイツの上級職にあった軍人や政治家からも「金髪の獣」と呼ばれ恐れられている存在でした。

冒頭の「SSの化身」という異名も、ナチス・ドイツが唱えた理想的なアーリア人の特徴・金髪・碧眼を備えた外観であったことから喧伝されたものでした。

ハイドリヒの統治

ハイドリヒは「ベーメン・メーレン保護領」に厳戒令を発すると、反ナチスの指導者層に位置していた人物たちを捕えて死刑にする粛正を推し進めました。
反面、策士のハイドリヒは末端の労働者に対しては食糧の配給増や年金などの社会保障を厚くすることで、ナチス・ドイツへの反抗心を巧みに抑える統治を行いました。

※1941-1942年のナチスの支配地域

1939年に始まった第二次世界大戦において、ナチスドイツは1941年末頃までにはヨーロッパ中を支配下に置くことに成功していました。

当時のドイツ軍はソ連の首都であるモスクワへの快進撃を続けており、連合国もソ連の降伏に現実味を覚えていました。
その中で旧チェコ地域はドイツの戦車の凡そ3割、軽機関銃も4割を供給する軍事上の拠点と化してしました。

連合国やチェコスロバキアの亡命政府は、この状況に危機感を強め、ナチス・ドイツに対する行動の必要性を痛感していました。

暗殺の成功

そこで標的に選ばれたのがハイドリヒでした。その暗殺が成功すればナチス支配の現状に楔を打ち込むことになると判断されたのでした。

エンスラポイド作戦

※手榴弾の破片で右側のフェンダーを破壊されたラインハルト・ハイドリヒのメルセデス・ベンツ

そして送り込まれた亡命チェコ政府の兵士達が1942年5月27日にハイドリッヒの乗るオープンカーを襲撃しました。兵士の一人が車の前に飛び出してサブマシンガンの銃口を向け引き金を引いたものの故障で弾丸が出ず、これに驚いた運転手が車を止めたところに、爆発物を投げつけました。

爆発物が炸裂すると、その破片がハイドリヒを襲いこの時負った怪我が原因で一週間後に死亡しました。

有効ではなかった エンスラポイド作戦

こうして「エンスラポイド作戦」はハイドリヒの暗殺に成功しましたが、その後に待っていたものはナチス・ドイツによる報復でした。
軍需産業の集積地として無差別な報復行為は行われなかったものの、凡そ13,000人にも及ぶ粛正が行われたと伝えられています。

ここに連合国は暗殺という手段を封印し、以後ナチス要人に対する暗殺作戦は行われることはありませんでした。

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学生時代まではモデルガン蒐集に勤しんでいた、元ガンマニアです。
社会人になって「信長の野望」に嵌まり、すっかり戦国時代好きに。
野球はヤクルトを応援し、判官贔屓?を自称しています。

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