迷信とは
迷信は、意外と多くの人が信じている。
深く信じてはいないものの、やってしまうとなんとなく気持ちがソワソワするという人も多いのではないだろうか?
日本で信じられている迷信の中には、中国から伝わってきたものも多いとされている。
今回は日本人には馴染みのない「中国圏の変な迷信」について解説する。
「梨を分けて食べてはならない」
中国人は家族が多く、何かを食べながらお喋りをするのが好きだ。
クッキーなどのお菓子ではなく、果物や種を好んで食べる。人が集まると必ず果物が何種類か並んでいる。みんなで分け合って食べるのだ。
ところが「梨は二つに切り分けて食べてはならない」 のである。
なぜなら梨の中国語の発音は「フェンリー」で「分離」と発音が似ているからである。
分けて食べると関係が分離してしまう、縁が途切れてしまうという意味になってしまうのだ。
「置き時計、傘、扇、コップをプレゼントしてはならない」
これも、中国語の読み方の音の問題である。
置き時計は中国語で「鐘」であり、発音が「終」に似ている。置き時計を送るは「送鐘錶」で「送終」 と発音が似ており、「命の終わりを送る」といった意味になるのである。
傘と扇も中国語の発音が「散」に似ており「散る、別れる」といった意味になってしまい縁起が悪いとされる。カップルがもし相手に送るなら「相手と別れたい」という事を表してしまうのである。
コップは中国語で「ベイズ」と言い「ベイ」が「悲」の発音に似ている。
反対に送って良いものが靴下である。「甘い蜜」の意味があり、甘い関係がこれからも続くようにという意味になるのである。
「息子は親に杖を送ってはならない」
一見すると「?」という感じだが、こちらもちゃんとした意味がある。
なぜなら息子は親の杖にならなければならず、世話をする責任があるからだ。 杖を送るということは、まるでその仕事を放棄するかのような意味になってしまうのである。
娘やその他の人は、杖を送っても良いことになっている。
ちなみに中国では、お年寄りには少しでも不吉な言葉が含まれている物は送らない。中国人のお年寄りにプレゼントをするときは、現地の人に尋ねてみると良いかも知れない。
「農歴七月は気をつけろ」
台湾では、農歴の7月は「鬼月」と呼ばれる。
農暦の7月1日に「鬼門」が開き、鬼が人間世界へ解き放たれる。そして一ヶ月の間彷徨い、生前にやり残したことをするという。
その鬼は「好兄弟」と呼ばれる。
農歴7月には禁忌の行動がいくつもあり、好兄弟からの危害を防ぐ意味がある。
ある資料では16個ものやってはいけない事があるという。一例を紹介する。
夜、写真を撮ってはいけない。(好兄弟が写り込まないため)
終電に乗ってはいけない。(好兄弟がついて帰る)
家を買ってはいけない。(好兄弟がシェアハウスしたがる)
夜、口笛を吹いてはならない。(好兄弟が呼ばれた!と誤解しないため)
夜、服を干してはならない。(好兄弟が服に乗り移らないようにするため)
誕生日を祝ってはならない。(好兄弟が嫉妬する)
なんだかクスッと笑えるようなものが多いが、農歴7月には結婚や新車購入など喜びごとは避けるのが一般的となっている。
迷信を信じない人にとっては特典もある。七月に車を購入すると優待があるのである。購入者が少ないため安くなったりするそうだ。
このように近隣のアジア圏でも国によって様々な迷信があるのは大変面白い。
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