海外

バイク王国台湾 〜「台湾人はなぜこんなにバイクが好きなのか?」

バイク王国台湾

バイク王国台湾

イメージ画像 : バイク王国台湾

世界一バイク所有密度が高いと言われている台湾。

参考記事 : 台湾はバイクの密度が世界一だった 「なぜバイクだらけになったのか?」
https://kusanomido.com/study/overseas/64770/

台湾では満18歳になるとバイクの免許を取得できる。多くの人が免許を取得したらすぐにバイクを購入する。成人1人に1台バイクを所有している印象だ。
若い人でバイクに乗れないという人はごく稀である。若者からお年寄りまで、猫も杓子もバイクである。

しかし排気ガスのせいで空気は悪く、大通りに面した場所ではバイクのエンジン音もかなりうるさい。

しかし台湾で生活するにはバイクは生活必需品であり、欠かせない交通手段である。

ではなぜ台湾人の生活にバイクは欠かせないものになっていったのだろうか?

現地メディアの記事を参考に紹介したい(参考メディア : Tech Orange 為什麼台灣人這麼愛騎車?)

台湾人はなぜこんなにバイクが好き?

この素朴な質問に対して調査を行なったのは、1人の中国系アメリカ人だ。彼は生まれも育ちもアメリカで、現在でもアメリカで生活している。

そんな彼は夏季実習で台北に滞在した際に感じた疑問について調査し、それを記事にしている。滞在期間中はとても良い思い出ができ、優秀な同僚と共に過ごせて充実した時間だったと振り返っている。

彼にとって最大の疑問は、「台湾人はどうしてこんなにもバイクが好きなのか?」ということだった。

初めて台北駅に降り立ったその日「どこもかしこもバイクだらけでとても驚いた」という。

彼の中ではバイクのエンジン音が響き渡るのは東南アジアの発展途上国というイメージだった。

彼は記事の中で、いくつかの理由をあげている。

●バイクは安くて便利

台湾はバスや地下鉄など交通手段はとても充実している。だがその運賃よりもバイクのガソリン代の方が経済的だという。しかもバイクは車より安く、大体7年から10年くらいは乗ることができる。

交通手段が充実していない場所でも、バイクがあれば好きな時間に好きな場所へ移動できる。しかも台湾ではバイクは2人乗りが主流だ。2人以上の人数を乗せて走っている人もいる。

筆者が住んでいた南部の少し田舎では、2人の子供と2人の大人が乗ったバイクをよく見かけた。
軽自動車並に人を乗せているのである。一応規定はあるようだがそんなに厳しくないようだ。

バイク王国台湾ではバイクにやさしい設備がたくさんある。例えばマクドナルドのドライブスルーはバイクでも購入可能だ。公道のほとんどにバイク専用走行車線があり、大型スーパーや百貨店にはかなりの数のバイク駐車場がある。

二段階左折の場所も多くあり待機する場所もきちんと確保されている。とはいえバイクの二段階左折は厳しく取り締まられ、二段階左折しない場合は信号無視扱いになる。

バイク王国台湾

イメージ画像 : 二段階左折の表示

台湾の公道には赤線と黄色線が引いてある。赤線はバイク駐車禁止区域、黄色線は臨時駐車OK。

少しの時間だからと赤線に止めると写真を撮られ、罰金のお知らせが家に届く。

罰金は日本円で大体3000円くらいである。

●台湾の気候と地形

台湾は一年を通して暖かく、雨も少ないことからバイクが好まれる。

特に南部はほぼ冬場がない。15度以下になることはごく稀で寒波が来るのは数日程度である。
雨が降っていたとしてもカッパを着てバイクに乗る。

台湾の地形もバイクに乗るのに適している。面積が小さいので多くの若者はバイクで台湾を一周するのが好きだ。

画像 : 台湾一周を勧めているサイト

このように多くの台湾人は、子供の頃から父母や祖母の後ろに乗せられて大きくなったのである。

今やバイクは台湾文化の一部となっている。

 

アバター

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Audible で聴く
Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 「読書教育」は童話の王国デンマークから伝わった【マッチ売りの少女…
  2. 金正日について調べてみた【世襲はなぜ隠されたのか】
  3. フィリピンの激安LEDライト付き使い捨てライターの魅力 【現地の…
  4. 【台湾の幻のスイーツ】 愛玉(オーギョーチ)とは?
  5. 破産もしていたトランプ大統領の意外な人生
  6. 日本人には馴染みの少ない中国の民族区域自治 【少数民族政策】
  7. イギリスの国旗の歴史について調べてみた
  8. アメリカで「梅毒」が急増中 【1950年代以来最高値に】

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

『チリの不思議な怪物伝承』金を食べる鳥から火山の巨人まで

チリといえば、世界一細長いことで有名な、南米の国である。チリを含む南米の国々は15世…

織田長益【信長の実弟にして秀吉・家康に仕えた武将】

有楽斎として高名織田長益(おだながます)は、織田信長の実弟に当たる武将・大名ですが長益より、…

明治・大正時代の洋菓子について調べてみた

明治から大正時代というのは、伝統的な日本の文化の中に、西洋の文化が流れ込み、新たな文化が多数生まれた…

ホモ・サピエンスはなぜ生き残れたのか【ネアンデルタール人との違い】

私たち生命の始まりは、大きさ1mmにも満たない微生物でした。そして、長い進化の果てに、いま地球には3…

蜂谷頼隆 ~織田家の天下布武を支えた知られざる武将

信長の黒母衣衆 蜂谷頼隆蜂屋頼隆(はちやよりたか)は織田信長、その没後は豊臣秀吉に仕えた…

アーカイブ

PAGE TOP