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世界有数の資産家 「ロックフェラー家」の資産と歴史

世界には、私たちには想像もつかないほどのお金持ちが存在する。

その中で世界の三大財閥と呼ばれているのが

「ロックフェラー家」 「ロスチャイルド家」 「モルガン家」 である。

この中で、ロックフェラー家はなんと一代で巨万の富を築いたのである。

初代のジョン・ロックフェラースタンダードオイル社を設立し、巨万の富を築き上げた。なぜ彼は一代でここまで大きな資産を築くことが出来たのか?

今回は、世界の三大財閥「ロックフェラー家」について解説する。

ロックフェラー家の歴史

ロックフェラー家

John_D._Rockefeller_1885

1839年、ジョン・D・ロックフェラーは、アメリカのリッチフォードで薬の行商を営んでいた父・ウィリアム・エーヴリー・ロックフェラーの六人の子供の2番目として生まれた。

父は生涯にわたって真面目に働こうとせず、常に一山当てようと目論むような男だったので、裕福な家庭ではなかったようである。
しかし母はそんな父とは違い、敬虔なバプテスト(キリスト教プロテスタントの一教派)であり真面目な女性であったようだ。

ジョンは父の代わりに家庭を支えていた母の元で、倹約を自然に身に付けていった。

彼自身も子供の時から家事を手伝い、七面鳥を育てて金を稼ぎ、ジャガイモや飴を売ったり、近所に金を貸すなどして家計を助けた。
このことが後の彼の経営哲学の基礎となったようである。

ロックフェラー家

リッチフォードにある生家

1853年、オハイオ州に引っ越した彼は高校に通い、商業高校で簿記を学んだ。

1855年9月、16歳のとき、製造委託会社 Hewitt & Tuttle にて簿記助手の職を得る。
その時の仕事の一部だった「輸送費の計算」は、後に大きく役に立つことになる。

彼は寄付にも熱心で、この頃、給料の6%をバプテスト教会に寄付していた。

1859年、資本金4,000ドルでモーリス・B・クラークと共に、製造委託会社を設立。

1859年ペンシルベニア州で「石油が掘り出された」というニュースを聞き、これからは石油がエネルギーの中心になると睨んだ彼はすぐさま行動に移した。

1863年原油の精製所を設立。23歳にしてベンチャー企業の社長となる。
このころは南北戦争中であり、北部では産業化が進み石油需要が高まっていた。

1870年、弟のウィリアムと共に「スタンダードオイル」を設立。全米の1割に当たる量の石油を精製する。

ロックフェラー家

スタンダードオイルの株券

1880年、スタンダードオイルは全米の9割のシェアを誇る大企業になった。

1882年、ロックフェラーの顧問弁護士だったサミュエル・ドッドは、資産を集中化する革新的な企業形態を考案し、スタンダード・オイル・トラストを誕生させた。

1890年、シカゴ大学設立。

ロックフェラー家

シカゴ大学

1897年、ジョン・ロックフェラーは引退して、息子のジョン・ロックフェラー2世に経営を譲る

1901年、ロックフェラー医学研究所設立。

1911年、スタンダードオイルは独占禁止法に抵触しているとの理由で、アメリカ合衆国最高裁判所に解体を命じられ、37の新会社に分割された。
エクソンモービルはスタンダードオイルが前身になっている。

1913年、ロックフェラー財団設立。

1937年、ジョン・ロックフェラーは、動脈硬化で97歳で死去した。

ロックフェラーの慈善事業

ジョン・ロックフェラーは寄付や慈善事業に対して熱心であり、二十歳の頃には給料の10分の1を寄付していた。
大富豪になった後も、教育や医学に対して多大な寄付を続け、ロックフェラー財団も設立している。

このことは、母親が熱心なバプテストであったことも影響している。

ロックフェラー財団

ロックフェラー財団は、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本部を置く民間の慈善事業団体である。
慈善団体としては世界最大規模であり、世界で最も影響力があるNGO(非政府組織)の1つに数えられている。2009年時点で、基金は33億ドルに上っている。

アンドリュー・カーネギーの著書に影響され、1913年に設立。
主な慈善活動は、

1:医療、健康、人口科学、
2:農業、自然科学、
3:芸術、人文科学、
4:社会科学、
5:国際関係

の5つである。

世界中から数千人の科学者や研究者が財団の研究員として奨学金をもらい、最先端の研究をしている。

多数の大学や研究所に対して寄付を行っており、後のロックフェラー大学となるロックフェラー医学研究センターなどを設立した。

また、様々な機関に建物などを寄付している。

ロックフェラー家から排出した政治家

ロックフェラー家

ネルソン・ロックフェラー (第41代副大統領)

ロックフェラー家は、創設者ジョン・ロックフェラーの孫にあたるネルソン・ロックフェラー以来、多くの政治家を輩出しており、特に州知事ポストではこれまで3つの州(ニューヨーク州、アーカンソー州、ウェストバージニア州)で、4人の州知事経験者を輩出している。

また、同じく孫のデイヴィッド・ロックフェラーの息子・デイヴィッド・ロックフェラー・ジュニアは、ニクソン大統領によって過去に2回に渡り財務長官への就任を求められたが、いずれも辞退している。

・ネルソン・ロックフェラー(1908 – 1979)

初代ラテンアメリカ担当国務次官補(1944 – 1945)
初代保健教育福祉次官(1953 – 1954)
ニューヨーク州知事(1959 – 1973)
副大統領(1974 – 1977)

・ウィンスロップ・ロックフェラー(1912 – 1973)

アーカンソー州知事(1967 – 1971)

・ジョン・ロックフェラー4世(1937 – )

ウェストバージニア州議会下院議員(1966 – 1968)
ウェストバージニア州州務長官(1969 – 1973)
ウェストバージニア州知事(1977 – 1985)
ウェストバージニア州選出連邦上院議員(1985 – 2015)

・ウィンスロップ・ポール・ロックフェラー(1948 – 2006)

アーカンソー州副知事(1996 – 2006)

ロックフェラー家の総資産

ロックフェラー家の総資産は3360億ドルと言われているが、本当の資産は明かされていない。
これは現在の世界長者番付と比較しても、いかに資産額が大きいかわかる。

現在の大金持ち2020年版では

1・ジェフ・ベゾス Amazon 1130億ドル
2・ビル・ゲイツ Microsoft 980億ドル
3・ベルナール・アルノー LVMH 760億ドル
4・ウォーレン・バフェット バークシャー・ハサウェイ 675億ドル
5・ラリー・エリソン オラクル 590億円

となっている。

さいごに

海外の大富豪は、慈善活動に大金を出資していることがほとんどである。
「持つものは社会貢献しなければいけない」といった倫理があるようである。

格差社会と言われているが、こういった精神の経営者や資産家が増えることでより良い社会になっていけるように願うばかりである。

最後に、ジョン・ロックフェラーの名言を書いて終わりとする。

『神は私にお金をお与えくださった。私のお金を生む能力は神が与えてくださった才能だと信じている。与えられた才能を活かし、お金を稼げるだけ稼ぎ、それを私の良心に従って同胞のために使うことは、私の義務だと思っている』

 

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草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
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