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一度は見たかった『三國志』のifシナリオ 【曹操が関羽の配下、呂布が皇帝になる】

誰もが気になる三国志のif

自分だけの三国時代を生きられるのが魅力のコーエー『三國志』シリーズだが、作品に登場するシナリオにはファンとして見たかった世界戦をゲームの舞台にした仮想(if)シナリオが多数存在する。

今回は、ファンなら一度は想像した世界線を描いた『三國志』のifシナリオを厳選して紹介する。

注…筆者の独断で選んだため紹介するシナリオが13、14に固まっているので予めご了承下さい。

実は奴が生きていた!? 『魔王帰還』

世の混乱に乗じて天下を手に入れながらも、歴史に残る暴政でこれまた歴史的な短命政権に終わった董卓の天下だが、死んだと思っていた董卓が実は生きていたという世界線を描いたのが『魔王帰還』である。

このifシナリオの面白いところは、曹操袁紹が戦っている真っ最中に董卓が復活したというところだ。

三国志の流れを決定付けた官渡の戦いの歴史すら変えさせてしまう董卓の影響力と、新たな反董卓連合の戦いの行く末が気になる世界線である。

曹操死す!『華容道の変』&『曹家分裂』

演義に於ける赤壁の戦いのクライマックスとして、敗走中の曹操を華容道で待ち構えていた関羽が見逃している。

ボロボロになった曹操と、友人である張遼の姿を見た関羽は、かつての恩もあって曹操を討たずに通させる訳だが、これは三国鼎立のためには曹操に生きていて貰う必要があった事と、関羽に曹操は討てない事まで計算した「孔明の罠」だった。(言うまでもないが、これは演義の創作である

正史で撤退の理由になっている疫病の蔓延が事実かはさておき、曹操は特に苦労もなく撤退を成功させている訳だが、その途中で曹操が死んだ世界線があれば後の歴史はどうなっていただろうか。

そのifを描いたシナリオが、13では『華容道の変』14では『曹家分裂』として登場する。

曹操の死という歴史的大事件による大きな勢力図の変化は勿論、遺児達による後継者争いも絡んだ大混乱によって歴史はどのように変わったのか、非常に興味深い。

伝説の王朝の後継者『皇帝呂布』

度々ネタにしている伝説の仲王朝だが、その仲の皇帝を自称した「ハチミツ皇帝」こと袁術が急死したところから『皇帝呂布』のシナリオが始まる。

ハチミツ皇帝の死に乗じて呂布は袁術軍を取り込むと、玉璽も手に入れて皇帝に即位してしまう。

呂布が皇帝となり、仲の後継者になるだけでもファンの方と数時間は語り合いたいテーマだが、皇帝呂布に政治は出来たのだろうか。

高順張遼と優秀な武将は存在するものの、政治面で有能な人材(陳宮は軍師なので政治は別)が浮かばないが、実際の呂布は権力に興味はなく、自分の武力を発揮出来る場所を求めて乱世に嵐を起こし続けて来た。

故に呂布に戦のない世は想像出来ないのだが、軍事面で優秀なのは間違いないのだから、更なる戦場を求めて呂布が西方に遠征したら面白そうだ。

君主関羽と軍師曹操『英雄乱舞』

筆者に限らず、関羽ファンの方は関羽を君主にしたシナリオで天下統一を目指したいと思った事があるはずだ。

『三國志14』には関羽を君主にしたifシナリオが2つあり、その1つが『英雄乱舞』である。

このシナリオは正史や演義で絡みのある人物同士で勢力を組む訳だが、まずは関羽の勢力紹介を読んでいただきたい。

曹操を筆頭に関羽好きが集合した配下を見ると、曹操張遼徐晃といった魏のチート級メンバーが揃い、ゲーム開始の時点でかなり優秀な勢力になっている。(勿論、関羽の子供達に周倉といった関羽に縁のある人物も関羽配下として登場するので、関羽軍はファンとしての贔屓を抜きにシナリオ屈指の強豪勢力である

デフォルトで関羽と曹操の立場が逆転しているのも面白いが、何よりも関羽と張遼、そして徐晃が初期から一緒に戦えるのは関羽ファンとして夢のような世界線である。

なお、このシナリオで一番笑ったのは当シナリオ唯一の☆5の難易度を誇る、夏侯楙の勢力紹介で

正直、どうすればよいのだろうか

と、無能君主に無能な人材ばかりが集まった超ハードモードを嘆く紹介がされている。(自分は絶対にやりたくない

Youtubeを探したらこの超ハードモードな勢力を極級でクリアした猛者がおり、その努力に心から称賛したい。

関羽一家に紛れ込んだ関靖と関純『氏姓覇乱』

張、孫、王、劉、曹、李……数多くの氏姓がある中、同じ氏姓の武将が集結して勢力を築き、天下の覇を争ったら、どの氏姓が勝者となるか。
中華の歴史の中で大きな意味を持つ氏姓。今、「三国志最強の氏姓」が決まる。

一番分かりやすいと思ったのでシナリオのあらすじをそのまま載せたが、要するに、同じ名字の武将を集めた勢力で戦わせたら何処が強いかというオールスター戦である。

勢力の顔触れを見ると、劉備、曹操、孫策に恵まれた人材が目立つが、史実では最も天下に近かった袁紹が最大の武器である優秀な人材を失い、兄弟喧嘩で名門袁家を滅ぼした息子達と、犬猿の仲である袁術と共闘しなければならない、リアルなら胃が痛くなるようなハードモードになっていのもまた面白い。(リアルでこの状況になっていたら、やはりこの二人は喧嘩になっていたと思う

ファンとして気になる関羽勢力だが、自身の子供と孫、そして関羽と同じ関姓という理由でしれっと紛れ込んでいる関靖関純の9人で天下統一を目指す事になる。

『三國志14』はとにかく人材が足りなくなるので、早いうちに勢力を拡大して人員を確保したいところである。

ifは三国志の魅力の一つ

今回は、ゲームに登場するifシナリオから、特にその世界線が気になるシナリオを紹介した。

筆者の主観で選んだため、自分よりもゲームをやり込んでいる方には「もっと紹介すべきシナリオがある、このシナリオを紹介して欲しかった」という意見もあると思うが、この手の議論や意見は「歴史にifは存在しない」という大前提がある故に楽しく、ゲームに限らず、見たかった世界線を語り合うのも三国志の魅力の一つである。

まだまだ『三國志』シリーズには興味深いifシナリオがあるので、機会があれば紹介したいと思っているので、お楽しみに。

 

mattyoukilis

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浦和レッズ、フィラデルフィア・イーグルス&フィリーズ、オレゴン州立大学、シラキュース大学を応援しているスポーツ好きな関羽ファンです。

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