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ヘラクレスはなぜあれほど強かったのか?【ギリシアの英雄】

ヘラクレスはなぜあれほど強かったのか?【ギリシアの英雄】

ギリシア英雄伝でも有名なヘラクレス

「強靭・力持ち・無敵」のイメージが強烈だが、彼は生まれた時から、強靭な肉体・精神を持ってはいたが彼の武勇伝には、実はゼウスの正妻:ヘラが大きな影響を与えていた背景があった。
ヘラクレスの母ミュケナイ王女:アルクメネの美しさに、心惹かれた大神ゼウスが、卑怯な手口を使いミュケナイ王女をはらませできた双子の片割れであった。そのヘラクレスが英雄として「強靭かつ無敵な力」を得た理由があった。

ではどうして彼は強かったのか・強くなったのかを調べてみた。

ヘラクレス誕生の秘密

半神半人の英雄ヘラクレスの母親:アクルメネ王女(ミュケネ王の娘)は、王の死後故郷を離れ、従兄で婚約者だったアンピトリュオンと一緒にデバイで暮らしていたのある。
大神ゼウスは、アルクメネの美貌に一目惚れ。しかしアルクメネは「貞操堅い」女性で、例え神々の王:ゼウスが言い寄っても、見向きもしなかった。
しかしゼウスにとって絶好のチャンスがやってきたのである!!アンピトリュオンが闘いにいく事になったのである。

大神ゼウスは、この時ばかりと夫:アンピトリュオンに変身し、闘いから凱旋したフリをしてアクルメネを喜ばせアンピトリュオンの武勇伝をネタに処女を思う存分味わい、妊娠させたのである。

その後アクルメネの元に帰ってきたアンピトリュオンは自分の武勇伝を聞かせると「その話はもう聞いたわ」とそっけない素振りに、おかしい??と思いながらも床を共にしたのである。


アンピトリュオンは疑問を抱き、有名な預言者のところに行き理由を尋ねたのだった。
預言者から「ゼウスの子を妊娠している」と聞かされたアンピトリュオンは、それから一切アクルメネと寝なかったという。

大神ゼウスに抱かれる以前にアクルメネにはアンピトリュオンとの子を宿していたが、その子は人間の子供だったので力の差は明白であり、自分の宿した種にだけゼウスは神々の前で「今日これから生まれる私の血を引く子は、王になるであろう!」と宣言したのである。

ヘラに鍛えられたヘラクレス

それを耳にして冷静でいられない神が一人
ゼウスの正妻:ヘラである。彼女は「嫉妬く・執念深い」性格であった。夫に怒りをぶつけられないヘラは、相手の女性や子供に、当たり散らすのである。

ゼウスが神々の前で「次に生まれるペルセウスの後継はミュケナイの王となるであろう」と宣言した事により(ヘラクレスはペルセウスのひ孫にあたる)面白くないヘラは一族の別の子が先に生まれる様に細工をした。(下記相関図参照)早産したエウリュステウスがミュケナイの王となる。その為、ヘラクレスは王になる事ができず、ヘラの企みは成功したかの様に思えた。

生後まもないヘラクレスと弟:イピクレスの寝所に毒蛇を二匹放ち、彼らを殺そうとした。
ヘラクレスはゆりかごの中で平然と両手で一匹づつ蛇の首を掴み、二匹同時に絞殺したのである。

ヘラクレスの母:アルクメネは嫉妬に狂うヘラに恐怖を覚え乳がでなくなってしまった。
それを知ったゼウスは、ヘラを眠らせ赤子のヘラクレスにヘラの乳=不死の乳を吸わせるのである。そしてヘラクレスは「不死の身体」になるも、あまりにも強く吸った為、痛さで目が覚めたヘラは目を覚ましヘラクレスを払いのけた。その時にヘラの乳が飛び散ったのが「天の川」になり=ミルキーウェイ(乳の道)と呼ばれる様になるのである。


【ヘラクレスの相関図】出典:「初めて読むギリシア神話より」

あっちの方も凄かった!!ヘラクレス

不死になり成長したヘラクレスは18歳になり、キタイロン山に巣くっていた巨大なライオンを退治し最初の武勲をあげた。

この狩りは困難を極め50日も手間取り、その間彼はテスピアイの王テスピオスの歓待を受けていたのだった。

この王には50人もの娘がおり、「ヘラクレスの様な勇者の孫を持ちたい」と日頃思っていた王は、毎夜・毎夜ヘラクレスと別の王女:娘達をベッドインさせていたのである。ヘラクレスはその事を知らず知らぬ間に50人の男の子の父親になっていたのである。勇者は「あっちの方も!!」強かったのである。

その頃、故郷のデバイではオルコメノスとの戦いに苦戦していたが、ヘラクレスはここでも偉業を成し遂げ、デバイを勝利に導きデバイ王:クレオンは自分の娘メガラを妻として与えたのである。ヘラクレスはメガラをこよなく愛し、子供も沢山設けたのだ。

沢山の子供達と愛する妻・幸せに暮らすヘラクレスに激怒した神が一人いた。ゼウスの正妻:ヘラ。彼女はヘラクレスを発狂させ、自分の子供と義弟のイピクレスの子供を全て敵と思い矢で射殺させてしまったのである。
正気に戻ったヘラクレスは目の前に広がる無残な光景に愕然とし、妻とも別れ追放を望みデルポイへ行き、アポロンの神託に「どうしたら子殺しの大罪を許されるのか」と聞いた。
神託は「ティリュンスでエウリュステウス王に仕え、彼が課す12の難業を成し遂げよ」と告げる。エウリュステウスはヘラの策略により王の座に就いた子供であり、王の座を揺るがすヘラクレスが疎ましく、彼を亡きものにしようと「命がけの難業」を命じるのだった。

信託による12の難業とは?!

【1、メネアのライオン退治】
ライオンの皮は何物も通さず、彼はこの件以来、この毛皮を覆う事になる。
【2、ヒュドラ猛毒蛇の退治】
甥に手助けを頼んだ為、難業の数に入らないと、王に言われる。
【3、黄金の角を持つ大鹿捕獲】
女神アルテミスの聖獣だった為、訳をアルテミスに話し許しを得た。
【4、大猪の生け捕り】
王は猪にビビりまくり、謁見せず。
【5、家畜小屋掃除】
ヘラクレスが報酬を求めた事を知り難業に入れる事はできないと拒否。
【6、鳥の大群のみな殺し】
女神アテナが技術の神へパイトスに注文して作らせたシンバルの様な楽器のおかげで、全ての鳥を矢で射殺すことができた。
【7、狂暴な牡牛を連れてくる】
ミノス王の所持していた牡牛だったので王に理由を話し「牡牛がついていくなら連れて構わない」と言われ、ヘラクレス成功する。
【8、ディオメデス王の人食い馬の生け捕り】
自国にやってくる外国人を捕らえて餌食にしていた。この悪行を罰する為にディオメデス自身を檻に投げ込み、満腹になった所を連れて帰った。
【9、アマゾン族の宝の帯】
アマゾンの女王ヒッポリュテはヘラクレスの「巨根」を見て一目ぼれ。帯をくれる手前に正妻ヘラがアマゾン族の一人に化け「女王が異国の民に連れて行かれる!」と大騒ぎを起し、ヘラクレスは女王に嘘をつかれたと思い、殺して帯を手にする。
【10、ゲリュオンが飼っている牛の群れを連れて帰る】
世界の果てのオケアノスに近いエリュティアまで行き、太陽の神:ヘリオンから「黄金の杯」を借り、そこに牛の群れを乗せ王に届けた。現在のジブラルタル海峡に来た所で、彼は記念として2本の柱を立てる=ヘラクレスの柱(現在のジブラルタルとセウタの岩)と呼ばれている。
【11、黄金のリンゴの入手】
世界の果てで天を支えているアトラスに相談を持ち掛け「暫くの間、変わって支えているからリンゴの実を取ってきてくれないか」と天を支えリンゴを取ってきてもらう。そして王に差し出した。その時、女神アテナが現れ「人間が持つ事は許されない」と王を叱りつけ元の木に戻した。王は「今度こそ生きて帰れない命令をしなくては」と最後の難関に。
【12、冥府の番犬ケルベロスを連れてこい】
「自分の運命もこれまで」と覚悟した彼のもとに、女神アテナが天から降りてきて「死なずに冥府に行く方法」を教え、農業の女神デメテルの神殿で密儀に参加・死者の霊魂を冥界へ案内する:ヘルメス ( 商業の神)の力を借り素手でケルベロスを捕らえた。

王に恐怖のあまり「冥府へ送り返せ」と言われ、冥府へ還した。
ヘラの不死の乳のおかげで「不死の身体」を持つヘラクレスは、自前の知性の高さと数知れない「試練」に鍛えられ、より強靭な肉体と精神を持つ様になったのである。

さいごに

12の難業を終え、解放されたヘラクレスはデイアネイラという美しい女性と再婚をし、幸せな生活を送ろうとした。その後ヘラクレスは戦利品として王女イオレを愛人として連れて帰ってきた為、デイアネイアはヘラクレスに「愛の媚薬(皮膚が剥がれる猛毒)の布」を、ヘラクレスの服に忍ばせてしまう。肌が焼け落ち、布を引き剥がそうとすると肉も一緒に剥がれ落ちてしまう。その悲惨な光景に妻:デイアネイラは自害する。
己の死を悟ったヘラクレスは自らを生きながら火葬を実行する。そこへ突然、稲妻が光り大神ゼウスが天に引き上げ神の一員として迎え入れられた。

勿論、長い間「犬猿の仲」だった正妻:「ヘラの執念」がヘラクレスを「強靭かつ不死身な英雄」にした事実には変わりない。

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総一郎

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