戦国時代

第4次 川中島の戦い~武田家必勝の布陣!

※川中島の戦い第1次~5次まで WIKIより

川中島の戦い

年月:1561年8月
対戦相手:武田信玄VS上杉政虎の戦い ※今後 上杉謙信とします。
特 徴:(武田軍:啄木鳥の戦法と信玄の裏をかく謙信)
結 果:北信濃の領有権が武田方に確定した。

中山道ルートから京を目指す武田信玄

甲相駿の三国同盟で背後の憂いが無くなった武田信玄は、信濃全域を手中に収める戦を展開していきました。
北信濃の豪族・村上義清は戦に敗れ、越後・上杉方へ遁走します。しかし、義理に厚い謙信は北信濃へ出陣してしまうのです。

武田信玄としては全く迷惑な戦いで、天下を取れなかったのは謙信の影響が非常に大きいです。

第四次 川中島の戦い~経過

8月15日に謙信は13,000の軍勢を率いて妻女山に着陣しました。5,000を善光寺に残しています。
一方、武田信玄は海津城・城将高坂弾正昌信からの知らせで16日には甲府を進発します。

第4次 川中島の戦い~武田家必勝の布陣!

武田軍は24日に千曲川を挟んだ茶臼山に陣を敷く。海津城と茶臼山から上杉軍を挟撃する形となります。

にらみ合いの対陣が続き、先に動いたのは信玄でした。謙信の目の前・八幡原を素通りして海津城に入ります。後年の三方ケ原に似ていますが、謙信は打って出てきません。殿軍の5,000位を討ち取りたくなる心境ですが流石謙信です。

しばらくこう着状態が続いて、次に動いたのも信玄です。

9月9日の深夜に別働隊12,000を馬場信房真田幸隆・高坂弾正らが率いて妻女山に向けて進発。本隊8,000は信玄直率で八幡原に布陣します。

対する謙信は・・・作戦を見抜き、12,000で信玄の待ち構える八幡原に攻め込みます。霧の深い闇の中の行軍は、双方敵の位置を正確に読み切れません。

翌10日午前8時。霧の晴れ始めた八幡原で信玄は愕然とします。追い立てられて、三々五々現れるはずの越後軍が整然と現れます。
兵力・士気で劣勢の武田軍ですが鶴翼の陣で頑強に抵抗します。一方謙信は「車懸りの陣(くるまがかりのじん)」で攻めかかります。信玄嫡男「武田義信」の守る武田軍右翼を突き崩します。

後備えから右備えの綻びを直す内に、前備えの信玄の次弟「武田典厩信繁(てんきゅうのぶしげ)」が討ち取られ崩れます。

※次弟・武田典厩信繁

全軍総崩れの様相の中、妻女山別働隊が謙信に襲い掛かり、武田軍の勝利が確定しました。

こうすれば圧勝であった~武田家必勝の布陣!

※第四次川中島の戦い

川中島の戦では多くの重臣が討ち取られています。武田信繁・山本勘助・両角豊後守・初鹿野忠次・・・

また、信玄の命令「守りを固めよ」に背き、敵の誘いに乗って攻め込み逆に包囲され、右翼を守れなかった長男の武田義信との軋轢も深まったと感じます。

今回は、謙信に勝つだけではなく、信繁・勘助等が生き残り、義信に活躍してもらいます。
画策したのは、若き軍師「高坂弾正昌信(だんじょう)」です

軍師の会話形式で進めます。
9月9日夕刻(妻女山別働隊進発前日)

山本勘助の陣を高坂弾正が訪問する

(軍師・山本勘助)

高坂「山本さま、気がかりがあり参りまして・・・」

山本「武田の軍師様がわざわざご足労痛み入ります(笑)」

高坂「ちと、炊煙が気になりまして・・・」

山本「そちもか・・・注意しておいたが上手くないな。毘沙門天殿は気付くか?」

高坂「妻女山の高台だから、手に取るように解るでしょう。」

山本「では、啄木鳥はやめるか?」

高坂「夜半の進発を伝えてから“やめた“では兵達に侮られます。」

山本「ではどうする?もう策はあるのだろう?」

高坂「このまま妻女山別働隊は進発します。しかし・・・」
「山本さま、お館かたさまの陣までご同行願えませんか?」

山本「お館さまの前に、寄らねばならぬ方がいるであろう」

高坂「はて?」

山本「軍師たる者、次の一歩を考えなければならぬ。次の事 義信さまじゃ」

(勘助の心の中
高坂と話していて気付いたが、本隊・八幡原の陣形は上手くない。馬場民部が立案したがワシにも責任があるな。
それなら、義信様に手柄を立てていただき、高坂に補佐させよう。さすれば  二人の関係性は親密になる)

妻女山・謙信の陣

謙信「直江、炊煙が多いな!」

直江景綱「いつもの倍ですな!」

謙信「信玄は動くぞ」

直江「どうしますか?迎え撃ちますか」

謙信「つまらん、出るぞ!」

直江「八幡原で挟み撃ちにされますぞ!」

謙信「その前に 中央突破で崩す!」

直江「では、善光寺の5,000に伝令を!」

謙信「捨て置け!」

直江「兵は一兵でも多く必要では?」

謙信「信玄は気付くぞ!善光寺に間者を入れておるだろう。だから知らせない」

こうして、善光寺の謙信別働隊5,000は決戦の八幡原に間に合わなくなります。

武田義信の陣を山本と高坂が訪問

山本「義信さま、準備滞りなく進んでますな!」

義信「世辞は良い、高坂も何か?」

高坂「実は、謙信が気付いております」

義信「勘のよい男じゃからな!で、どうする?」

高坂「実は、お館さまに申し上げに参ります。別働隊の編成替えです」

義信「八幡原より、そちらの方が面白そうだな!わしも行くぞ」

信玄の本陣にて 高坂弾正の献策

どうせ武田軍の進発がバレているなら好都合、謙信も妻女山を下ると考える。
大きな変更は、兵たちの気から謙信は感じ取るそこで・・・

別働隊12,000は予定どおり進発する。
敵の目を欺くため、開戦までに戻れる最遠地に達したら、
別働隊の内4,000は史実通り妻女山を攻めに行く。
(指揮官・馬場信房 軍師・真田幸隆)
一方で、別働隊分遣隊8,000は八幡原に引き返す。
開戦後になるであろうが、
分遣隊①4,000は本体に合流する。
分遣隊②4,000は武田本陣攻撃中の上杉軍の左翼から突っ込む。
(指揮官・武田義信 軍師・高坂弾正)

武田本隊(八幡原の布陣)問題点

史実では、八幡原の本隊に武田一族が全員集合です。
武田信玄 武田信繁(次弟)武田信廉(三男)武田義信(嫡男)

これでは、一族滅亡の可能性もありました。そこで、嫡男義信を別働隊に編入します。空いた右備えには左備えの飯富虎昌。左備えには弟の飯富源四郎を当てます。

そして八幡原の決戦

夜半に出発した別働隊12,000は順次折り返し地点に達したら八幡原に向かいます。
別働隊分遣隊①は信玄の総予備として綻びに投入する。こうして武田典厩信繁隊は崩壊せずに持ちこたえます。

武田義信の右備えは飯富虎昌に代わる。義信の盛り役である虎昌の奮戦でこう着状態に持ち込まれる。
時間の経過は上杉軍に不利に働く。武田本隊はひたすら膠着状態を維持していく。
そして、妻女山別働隊分遣隊②の武田義信と高坂弾正が、上杉軍の左翼から突入して車懸りの陣形を止めて上杉軍の敗北が決定します。

第4次川中島の戦いの損失が軽微で済み、武田家の勢力圏拡大に貢献します。
また、史実では駿河侵攻に際して、信玄と義信の対立から義信は切腹をする。しかし、今回は典厩信繁や高坂の取り計らいで対立も無くなり、三方ケ原の戦いに続きます。先鋒は武田義信、片っ端から今川侍を味方に付けていきます。奥方が今川家出身であることを利用します。

 

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