オランダといえば、真っ先に思い浮かぶのは風車とチューリップである。
風車は古来より世界中の国々で使われてきたが、特にオランダに多くあるイメージがあり、実際に現在でも数多く存在するのである。
なぜオランダに風車がたくさんあるのだろうか?
風車の歴史
風車の起源ははっきりとはしていない。
最古のものだと紀元前3600年にエジプトで使われていた記録がある。
現在では発電の動力として使えるが、電気が生まれる以前は灌漑や排水、製粉などにも使われていたようだ。
オランダ国土の4分の1は干拓地だった
オランダは九州と同じくらいの大きさであり、干拓によって国土を広げてきた歴史がある。
干拓とは遠浅の海や干潟、湖沼などの水を抜き取って陸地にすることであり、主には農地を広げるために行われる。
オランダ初期の干拓は小規模なものが11世紀ごろから始まり、16世紀頃から本格的な開拓が始まった。排水路や水門を作り、雨水や地下水などを風車の動力で海に排水し、国土を堤防で囲んで海や湖を干拓して国土を広げていったのである。
「世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った」
という格言まで生まれたほどである。
その結果、干拓地は国土の4分の1となり、干拓地の大半は海面より低いという。
つまりオランダは「常に排水に気をつけていないと土地が水に沈んでしまう危険」があるのである。
その時代の排水動力の主力は「風車」であり、干拓地の水没対策として「風車」が多く生産されたのである。
最盛期はオランダ全土に約9000もの風車があったという。
その後、電力や火力など多くの動力が生まれ風車は廃れていったが、オランダには現在でも主に観光名所として約1000の風車が存在している。
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