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台湾の新型コロナウイルスの対応と現在

昨今世間を騒がせている新型コロナウイルス

世界でも筆者が住んでいる台湾は抑え込みが成功している国といえよう。
他国で大流行している中でも政府の対応が早く、断固とした手段を取ってきたためと思われる。
もう一つの大きな理由として人々が口々に語るのが、「SARSの時の経験から教訓を学んだため」という事である。

台湾とSARS

台湾の新型コロナウイルスの対応と現在

重症急性呼吸器症候群 Severe Acute Respiratory Syndrome (SARS)

SARS(重症急性呼吸器症候群)は、2003年に世界各国で感染が拡大した。
SARSコロナウイルスと呼ばれ、発生した場所はこれまた中国の広東省である。
出現したのは2003年3月14日、収束が同年の7月で4ヶ月の間に347人の感染者、死亡者は37人だった。

今回の新型コロナウイルスとは比べ物にならないほど少ない数字ではあるが、なぜSARSは台湾に深い印象を残したのであろうか?

WHOの非加盟国である台湾は、リアルタイムでの情報取得や支援がなされず社会は恐怖に陥れられた。
病原体も感染経路も治療方法も不明。。。さらに台北市の和平病院での院内感染、封鎖、そしてそれに伴う1名の自殺。

また発生から死亡に至るまでの期間が10日間と極めて短かった事が、強い印象を与えた理由に挙げられる。

SARSで学んだ教訓

新型コロナウイルスが流行し始めてすぐに台湾は封鎖を始めた。ウイルスの侵入を水際で抑え込む対策法である。

個人の実感としては、国外に比べれば感染者はまだ全然少なかったが政府の対応は早かった。
まず観光客は完全にシャットアウト。つまりビザを持たない外国人の受け入れを制限した。

台湾人の渡航に関しても注意を喚起し、不必要な海外渡航を実質的に禁止した。

国ごとに危険地域をもうけ、危険地域からの帰国者に関しては14日の隔離等の処置を早くから求めた。

隔離者への対応

台湾の新型コロナウイルスの対応と現在

台湾の各自治体が準備している隔離セット。中には年始の贈り物と言って喜んでいる人も。

台湾の新型コロナウイルスの対応と現在

隔離セット②

政府は隔離者に対して格安でホテルを提供し、家で隔離の人たちにはお見舞いとして食料や御菓子など隔離グッズが無償で提供された。

県によって対応は違ったそうだが、聞くところによるとNETFLIXの無料券が配布されたらしい。隔離中退屈しないための処置まで提供された。

ウイルス拡散防止対策

それでもある程度の拡散は避けらず、政府は警戒レベルを3まで上げる事となった。

台湾の警戒レベルを段階ごとに説明すると

警戒レベル1

状態;海外からの輸入症例で且つ市内感染が発生
処置;交通機関はマスク着用。各営業エリアに実名登録
ソーシャルディスタンス、体温測定、消毒を実施

警戒レベル2

状態;台湾国内で感染源が不明な症例が発生
処置;マスク着用に協力しない人には罰金
屋外500人以上、室内100人以上の大規模集会を禁止

警戒レベル3

状態;1週間以内に3例以上の地域内クラスターが発生。または、感染不明の新規感染者が1日に10人以上確認される。
処置;外出の際はマスク着用必須(着用しないと罰金)
レジャー施設の営業停止、室内での5人以上の集まりを禁止。
(レベル3に達した時点で学校、塾は閉鎖。リモートへ切り替え。飲食店でのイートインは全面停
止。持ち帰りもしくは、配達のみとなる。)

警戒レベル4

状態;国内感染者が急増。14日間の感染平均が1日100人を超える。尚且つ半数以上の感染ルートを特定できない。
処置;出勤や登校禁止。不必要な外出は禁止。車の中もマスク着用。

ここでは大まかに説明しているが、細かい部分でたくさんの条件が決められている。

現在の状況

これまでにレベル3までの警告があったが、今のところレベル4までには至っていない。
レベル3は日本で言うところの緊急事態宣言であるが、一部の非常識な人を除いてほとんどの国民は指示に従ったように思える。政府の出した警戒レベル宣言にはかなりの拘束力があるのだ。

2021年9月現在は警戒レベル2の状態で、色々な方面が緩和され始めている。
飲食店は、規定のアクリル板を設置すれば営業できる。しかし外食できない事は台湾人にとってあまり苦ではないようだ。台湾は元々テイクアウト文化だからだ。

今後状況が悪化するか緩和するかどうかまだ不明だが、その都度台湾政府の対応は素早く徹底している。

 

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草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

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