海外

台湾で起こったクジラ爆発事件 「悪臭が数ヶ月続く」

クジラが爆発!?

台湾で起こったクジラ爆発事件

画像 : 爆発したクジラ

クジラ爆発事件は、世界の各地で報告されている。

今回は、2004年に台湾の台南にて起きた事件について解説する。

台南の牡蠣の養殖場にて一頭のマッコウクジラが座礁した。
そのマッコウクジラは50トンを超える大きさで、発見された時はすでに死んでいた。

その個体の体は、政府が総動員した人員によってトラックに乗せられ、解剖のため成功大学に運ばれることになった。
台湾でのクジラの座礁と解剖については、以下の記事が詳しい。

台湾に座礁するクジラやイルカたち 「2022年には144頭もの鯨やイルカが座礁」
https://kusanomido.com/study/overseas/76299/

この座礁したクジラをトラックに乗せるために、研究者たちは試行錯誤を重ね、13時間もかけてトラックに乗せたという。

輸送途中、クジラの体内のガスが少しずつ溜まっていった。その体内のガスの圧力によって、クジラの2メートルにも及ぶ生殖器が完全に体外に出た。
それは体内のガスが限界にまで達し、クジラの体がまるで風船のように膨らんで爆発寸前だという前兆だった。

爆発!!

そして、ついに爆発したのである。

大きな振動と音とともにクジラの背中は大きく裂け、中の腸や内臓は全て流れ出てしまった。
飛び出した特大の腸や肝臓は時速70キロもの速さで道に噴き出され、他の車に直撃したという。

運の悪いことに現場付近に駐車していた白い車は、クジラの血によって赤い車になった。

台湾で起こったクジラ爆発事件

画像 : 流れでた鯨の内蔵

その内臓は元々解剖のために残す予定だったが、すでに腐敗が激しかったため解剖には使用できなかった。
その後の調査で、クジラの体内の内蔵器官の体液が少しずつ発酵してガスが発生し、そのガスが体内に限界まで溜まったことで爆発したということが分かった。

その凄まじい悪臭とともに大量の血と体液が噴射され、現場は騒然とした。
近くにいた人たちは、「臭すぎてもう少しで死ぬところだった」「台湾でこんなことが起こるなんて」などと話している。

その強烈な匂いはその後、何ヶ月にもわたって消えなかったという。爆発現場のちょうどその前に一軒のスーパーがあったそうだが、気の毒としか言いようがない。

座礁した巨大クジラの解剖は非常に困難な作業である。その大きさから体重や体長を測るのも一苦労だ。
まずは個体の死因や年齢などを知るために大まかな調査が行われ、それから解剖作業に入る。

そして標本を作るために、骨と肉を切り分ける作業を行う。ある部位は手作業では難しいため、しばらく特殊な液体に浸しておくことが必要となる。

かつて台湾でも捕鯨が行われていたが、その目的は皮膚の下にある脂肪であった。その脂肪から良質の油が取れて機械油や蝋燭の原料な度にも使われた。

爆発クジラのその後

標本としての価値を失ったクジラの内臓は「汚物」として処分されることになった。

クジラの体はクレーン車で丁寧に吊り上げられ、大規模な清掃作戦が行われた。完全に処理し終わるまでに3時間かかったという。
内臓は解剖に使えなくなったが、その他の部分は研究するために予定通り成功大学に運ばれた。このマッコウクジラは18メートルの成人した個体で16歳ほどであると公表された。

一般的に、鯨やイルカが座礁する原因は病気や怪我などである。だが、このマッコウクジラは船と衝突した形跡が見られたという。
船との衝突により死亡して打ち上げられた不幸な事故であったのだ。

参考 : 台灣曾運鯨屍突大爆炸 | 香港01

 

  • Xをフォロー
好きなカテゴリーの記事の新着をメールでお届けします。下のボタンからフォローください。

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 日本は『第二のウクライナ』となるのか? ~外交・防衛の視点から考…
  2. イランの最大の脅威はイスラエルではない?政権が本当に恐れる存在と…
  3. 【怖すぎる中世フランスの悪女】ラ・ヴォワザン ~毒薬を製造販売し…
  4. 一転承認! なぜトランプは日鉄のUSスチール買収を認めたのか?4…
  5. 「世界一出世した軍人」ドワイト・D・アイゼンハワー
  6. アラモ砦の戦い【映画にもなったテキサス独立叙事詩】
  7. ポルトガル旅行の魅力 〜「物価の安さ、カラフルな街並みと日本に近…
  8. 【ケネディ大統領暗殺事件のカギを握る謎の女】「バブーシュカ・レデ…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

【MA-1ブーム再燃!】フライトジャケットの魅力

2017年から始まったMA-1の人気は2018年も衰えることなく、新たな定番となっている。だ…

毛沢東の死を見守った専属医師が明かす「最期の瞬間」

毛沢東の専属医師李志綏(り しすい)は、中国の指導者であった毛沢東の専属医師である。…

注音符号とは 【台湾にもひらがなやカタカナがあった? ~中国語の発音記号 】

注音とは?注音をご存知だろうか? 「ㄅㄆㄇㄈ」 ボ、ポ、モ、フォと発音する。中国語を学習…

『豊臣兄弟!』ゆかりの地。寧々(ねね)と秀吉の面影を訪ねて高台寺周辺を歩いてきた

秀長とともに、秀吉の補佐役を務めた寧々北政所(きたのまんどころ)・寧々(ねね)は、天下統…

装甲空母「大鳳」は、なぜ魚雷一発で沈んでしまったのか

大きな船体に航空機を載せて海を駈け、敵の艦隊や基地を攻撃するための、まさに「海上基地」ともいえるのが…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP