『魔法や魔術、占い、あるいはおまじないといった類の話は、非科学的でありナンセンスだ』
この手の話になると必ずと言っていいほど使われるロジックである。
しかし、この言葉に矛盾があることがわからないだろうか?
科学的方法に照らし合わせれば、すぐに分かることだ。
科学的方法とは、断片化された散在している雑情報あるいは、「新たに実験や観測をする必要がある未解明な対象」に関連性、法則を見出し、立証するための体系的方法である。
つまり、この言葉は魔法を「対象」としておらず、結果「立証する」というプロセスがスッポリと抜け落ちている。実験や観測を行わず、立証していないものを頭から否定するほうが科学的にナンセンスなのだ。
科学と魔法の境界
※ルネ・デカルト
科学的な方法の古典的な基本は、ルネ・デカルトが17世紀に『方法序説』で示した。
科学的な解明の手順、とでも思えばいい。これは17世紀に提示されたものだが、「現在でも研究論文を書きあげる指針として十分光を放つものである」という。
また、デカルトは哲学的な思考により「神の存在証明」にアプローチした。
もっとも、この考え方はデカルトの思考にとって都合よく定義されたものであり、その神は単に科学上の条件の一部でしかないという批判もある。しかし、デカルトは数学者でありながら神の存在を仮定したことに変わりはない。つまり「見えないから存在しないというのは正しくない。それは見えないだけであり、存在しないとはいえない」ということだ。
2016年2月、天体物理学界だけでなく、世界中を驚愕させるニュースが駆け巡った。「重力波」の直接検出の成功である。
1916年に、一般相対性理論に基づいてアルベルト・アインシュタインによってその存在が予言された後、物理学者たちは約100年もの間「おあずけ」を食らっていた。ここで重要なのは重力波ではなく「直接検出」に成功するまで「立証」できなかったことだ。
このように、何年、何百年かかろうが、科学者は立証できるまでは推測だけで判断はできない。
私が「ラプラスの悪魔について調べてみた」で述べたように、三次元に我々が存在するならば、さらに高位の次元に「知性」が存在してもおかしくはない。
それを「神」と呼ぼうが「悪魔」と呼ぼうが、我々には見えない存在がいる可能性はあるのだ。その力が魔法という形で我々に作用しないと立証した科学者はまだいない。
魔術の系譜
さて、本題に入ろう。
人類は太古より神や悪魔、またはその使いの力を借りることによって、目に見えない力を使ってきた。それは、魔法、魔術、まじないといった言葉で伝えられてきたが、大きく分けて三つの系統がある。
黒魔術は、呪術で悪霊の力を借りるなどして相手を呪う。力を借りる以上、何かしらの代償を必要とすることが多く、リスクが高い。
もうひとつの白魔術は、害を得る者がなく、術者・願者に益をもたらすものとされる。物語の中では、天使などの「聖なるもの」の力を借りる(または召喚する)物を「白魔術」とされるが、天使は文字通り天(神)の使いであり、人間がその力を利用できるとは思えない。
よって、黒魔術と白魔術の境界は「他に害を得るものが存在するかしないか」の違いであり、黒か白かを決めるのは魔術を行使する術者の意思により決まる。術の使い方次第で黒にも白にもなるのである。
そして、最後のひとつが民間信仰と融合した魔術である。
ヨーロッパ遊牧民に伝わる魔術には「実が2個ついたサクランボの片方を相手に食べさせ、もう1つを自分で食べると、友達から恋人関係になれる」といったものがあるが、複雑な手順を踏まなくとも、ちょっとした「おまじない」で願いをかなえる魔術である。日本でも神道が民間信仰と融合し、初詣が一般化したようなものだ。
今回はそのようなまじないの中でも、ある程度理論的に考察できて、複数の情報が得られたものを「信憑性が高い」と判断して、いくつかを紹介したいと思う。
恋愛がうまくいかない人のために、恋愛成就、恋愛進展のまじないを調べてみた。
1.Eメールまじない
用意するものは、携帯かPCのどちらでも良い。
1.新規メールの宛先に自分の名前&好きな人の名前をローマ字で入力。
2.題名に願い事を入力。
3.本文は、『私はこの願い事を叶えたいのです。どうか私に力をください』と入力。
この後に『αηβμξιχπμγδαηο』(打ち込み用のよみがな→アルファ、イータ、ベータ、 ミュー、クシー、イオタ、キー、パイ、ミュー、ガンマ、デルタ、アルファ、イータ、オミクロン)と入力。注意事項
1.名前にスペースは入れず、苗字名前の順で入力。
「yamadatarouyamadahanako」
2.ひとつの願いにつき、一回のみ有効。
3.メールは送らないで一度保存してから、削除する。
4.新月の時期に行うほうがなお良い。メール例
宛先:yamadatarouyamadahanako
題名:〇〇しますように
本文:私はこの願い事を叶えたいのです。どうか私に力をくださいαηβμξιχπμγδαηο
まじないといいながら、いきなりEメールで驚いたかと思うが、ポイントは「ギリシア文字」である。
ギリシア文字は、ラテン文字、ゴート文字、キリル文字などのアルファベットの成立に影響を及ぼした現在の西欧言語のルーツであり、その後に西洋で生み出された多様な呪文の起源でもある。さらにギリシア文字(ギリシア語アルファベット)はヘブライ文字(ヘブル語アルファベット)の様にそれぞれに固有の数の値を持っており、その数の組み合わせに意味がある。
2.銀貨まじない
不特定の異性の愛情を得たい 時に用いられる魔術。
銀貨は古くから幸運や金運を招くお守りとして使われてきた。また銀には硫化物などと化合すると黒く変色する性質がある(温泉で銀が変色するのもこのため)。
中世ヨーロッパの権力者達は銀の食器を使うことで、食事に毒物が混入していないかを確かめたという。
以来、銀の食器は高貴な日用品として、人々に愛されてきたともいわれている。このような理由から、銀貨を使ったまじないやお守りには、強い「魔除け」の効果もある。
手順は、
銀貨(月を象徴する)を、新月から7日間、月の光にさらし7日目に、満ちゆく月の女神アルテミスに願いをかけ、愛を得た自分を強くイメージする。
その翌日より銀貨を常に持ち歩く
このようにすれば、銀貨に封じ込まれた光が、エネルギーとして放散され強く異性の関心をひく効果をもたらすといわれる。
3.ある古文書の呪文
※知者ソロモンの裁き
フランスのアルスナル図書館の古文書の山から発見された魔術書「7惑星の霊の術」には、異性の愛を得る魔術 が紹介されていた。
聖書の賢人ソロモン王の名を冠した有名な魔術書にも「7つの惑星の霊の力を借りる為の術式等について」の解説がある。
バベルの塔で人々の言語がばらばらになる前に使われていた「ヘブライ語」が、最も神聖かつ真正な言語であり、それを使った書物が正しいと考えられていた時代があった。そのため13世紀頃に書かれたその魔術書にもソロモンの名が使われている。
方法は、
近距離で相手の目を真っすぐに見つめる。
そして、お互いの視線があったら、小声で次の呪文をささやく。
「カフェ・カシータ・ノン・カフェラ・エト・パブリア・フィリ・オムニバス・サイス」
とはいえ相手と目を合わせて呪文を唱えるというのは、中々ハードルが高いので、例えば相手の手相を見る練習とか何か他の占いの名目でやってみてもよいだろう。
ただし、呪文は確実に覚えることと、相手の瞳に自分の顔がしっかりと映るように覗きこむことがポイントである。
視線には、古来より不思議な魔力(魅力=fascination/ファシネーションは魔力という意味もある)があると信じられているのだ。
最後に
やや理屈っぽい話に始まってしまったが、これにも理由がある。
まじないや魔術を成功させるために一番重要なのは「信じること」だ。本人が本心から信じていないことを、その人から頼まれたらあなたは引き受けるだろうか?
呪文の手助けをしてくれる存在に対しても「信じる心」がなくては伝わらない。そのために「魔術=非科学的で意味がない」という先入観を取り除く必要があった。
日本の言霊(ことだま)も、信じて唱え続けることで効果を得る。思い込みや先入観は魔術にとって最大の障害なのだ。
不安定な気持ちもまた効果の妨げになる。不安な気持ちをクリーニングでリセットしてするために、
粗塩あるいは岩塩をひとつかみ手に取って、両手でしっかりもみ込むのも良い。次に手を洗い流して、鼻から軽く息を吸い、口からゆっくり三回、息を吐く。吐くときはそっと口をすぼめるように。
リラックスしてぜひ試してみて欲しい。そうそう、恋愛に効くおまじないは夜間、それも23時までの間に実行するのがベストである。
関連記事:「ラプラスの悪魔について調べてみた」
関連記事:言霊(ことだま)
「言霊が本当に効くか調べてみた」
「言霊を続けるコツについて調べてみた」
この記事へのコメントはありません。